「【”現実主義と自由博愛主義との狭間で起こった様々な出来事と人間模様をハワーズ・エンド荘は静かに見守っていた・・。美しき、英国の田園風景が、この作品が醸し出す気品を支えて居る作品でもある。】」ハワーズ・エンド NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”現実主義と自由博愛主義との狭間で起こった様々な出来事と人間模様をハワーズ・エンド荘は静かに見守っていた・・。美しき、英国の田園風景が、この作品が醸し出す気品を支えて居る作品でもある。】
ー 自由博愛主義のシュレーゲル家の聡明な姉マーガレット(エマ・トンプソン)と、美しくも愛に奔放な妹ヘレン(ヘレナ・ボーナム=カーター:ティム・バートン監督とお付き合いを始まる前だったので、ヘンテコな役ではない。)と現実主義のウィルコックス家の長、ヘンリー(アンソニー・ホプキンス)を始めとした思想、生き方の違う人々の姿を、ウイルコックス家所有のハワーズ・エンド荘は、静かに見守っているようだ。
ハワーズ・エンド荘の周囲の美しい自然と共に・・。ー
・ヘンリーの妻ルースのみが、聡明なマーガレットと病床で交流を深めるシーン。そして、末期の彼女が鉛筆でメモに遺した言葉。だが、ウィルコックス家の人々は、”その言葉”を受け入れられずに、破り捨て暖炉で燃やしてしまう・・。
・ヘンリーと、マーガレットが惹かれ合って、婚約したのはお互いにないモノを持っている事に対する敬意から産まれた愛情であろうと勝手に解釈する。
ー ここは、劇場で観た際にも唐突感があった。今回も完全に払拭出来たわけではない・・。ー
・だが、終盤、情無き、チャールズ・ウィルコックスが、ヘンリーのアドバイスの転職を勧めた”ミス”で困窮したレナード・バストに行った仕打ち。その結果、ルースが遺した言葉通りになりシーン。
ー ”家が人を選ぶ”とは、正にこのことである。ー
<初回、鑑賞時には一部難解に思えた作品であるが、再見すると人の心の機微の変遷や、運命の残酷な悪戯が、上手く描かれていると思った作品。
英国の田園風景を映し出した映像も、大変美しく、この作品の醸し出す気品を支えて居る作品でもある。>
<2019年10月20日 京都シネマにて鑑賞>
<2021年 4月27日 別媒体にて再鑑賞>