「174分。長いならではの面白さがある映画だった。」パルムの僧院 あまおとさんの映画レビュー(感想・評価)
174分。長いならではの面白さがある映画だった。
時間や経験で人が変わっていくところがじっくり描写されるのには良い長さ。
最初、<何なのよ、この軽い人たち…>と少々バカにしながら観ていた。しかし、彼らが思うようにならない点に折り合いをつけながら何とか自分らしく生きようとするところが、段々いじらしくなってきた。
最後の公爵夫人の最後のファブリスを助けるための行動は凄い。また変わらないだろうと思っていたファブリスがそれでも少しずつ変わっていったのが興味深い。3人とも、ままならない人生で自分なりの判断を下した。生きるというのは、面白いが難しい…。
おもしろさはスタンダールの原作によるところが大きいのだろうが、ここでは、美男美女が登場し、他にも表現力ゆたかな役者さんが多くて楽しい。(庭の鉄格子の向こうのせつない表情のファブリスは、女性なら放っておけないだろう…)看守役の男は個性的で惹きつけられたし、パルム大公も楽しかった。
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