「引き込む力を持っている」パルプ・フィクション parsifalさんの映画レビュー(感想・評価)
引き込む力を持っている
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若い世代が絶賛しているなって思っていた。視聴は2度目だが、時間進行がぐちゃぐちゃのストーリーは昨今、かなり多いのでその先駆けの映画なのだと思った。音楽の選曲が絶妙で、どうでもよい蘊蓄や、それぞれのこだわり、間抜けぶりとバイオレンスを混ぜこぜにしたストーリーに丁度良い感じだった。
それぞれのストーリーの展開がぶっ飛んでいて、奇跡的な出来事、それぞれのストーリーが噛み合っての偶然など、どう展開するかが読めないのが魅力か。どのストーリーも、日常の与太話が続いていているところに、地続きで殺人や暴力が起こり、日常とバイオレンスが並列に並んでいる風情があった。
ボクサーのブッチは、ツキが続いて、彼女と無事落ち合って逃走へ。しかし、ビンセントは、ショーンと二人の時はついていたが、一人になったら、つきが落ちてブッチに殺される。ショーンは、銃弾が全部当たらなかったのを神の奇跡と感じ、足を洗って生きながらえる。この3人の命の扱いも、偶然が重なって生かされている感じだった。レストランでのシーンも、どう転がるのか見せ所だったが、終わりは、ちょっと呆気なかった。
ショーンが撃たれるのを予想していたのだが、肩透かしだった。
パルプフィクションという演題で、もともとB級の推理・サスペンス物に嵌っていたタランティーノが、その知識やら経験を活かして作った作品らしいが、他にあまりないテイストの映画だった。自分には、そこまでいいとは思えなかった。
重いテーマ性は、隠されていない?。ギャングの(映画の)日常の断片を切り取って、遊びながらつなぎ合わせて作品にした映画かな。その遊びが、若い人には受けるのだろう。
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