「巴里の空の下 全員救済は流れる」巴里の空の下セーヌは流れる KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
巴里の空の下 全員救済は流れる
デュヴィヴィエ監督の映画の中では
「舞踏会の手帳」の次に好きな作品。
苦難に陥た登場人物が最後にどのように
救われるのかとワクワクして観た。
それだけに上京してきた若い娘と
殺人を繰り返す芸術家に
救いの手が届かなかったのは残念だった。
御都合主義を避け
リアリティ感を出するためか
最後まで救われなかった人物を
配置した狙いは分からなくはないが、
“花の都パリ”賛歌
の映画でもあるだろうから、
殺されてしまう若い娘には宝くじ当選に
加えて幼なじみの画家との恋の成就とか、
殺人者の芸術家はせっかく少女との出会いで
一度は心が洗われたのだから何か再生の
切っ掛けを与えて終えて欲しかった。
その他の登場人物が夫々関わり合いながら
救済されていく結末は期待どおりだった
ので、二人にも幸せになって欲しかったと
少しばかり心残りを感じる結末ではあった。
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