「【”美食の恩返し。”美味しい料理は、人の若干なる疑いを晴らし食した人々に幸福を齎す。この作品が後年の映画に与えた影響は大きのではないかな、と思った作品でもある。】」バベットの晩餐会 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”美食の恩返し。”美味しい料理は、人の若干なる疑いを晴らし食した人々に幸福を齎す。この作品が後年の映画に与えた影響は大きのではないかな、と思った作品でもある。】
■19世紀後半、デンマークの海辺の村。
牧師の父を持つ初老の姉妹、のもとに、フランスのパリ・コミューンにより家族を亡くした女性バベットが移り住む。
やがて宝くじで1万フランを得たバベットは、その金で村人が集まる晩餐会用のフランス料理を作らせてほしいと姉妹に申し出る。
◆感想
・今作は、私の好きな出演陣が皆善性を保っている所が好きである。
・マーティーネとフィリパの元に現れたパリ・コミューンにより家族を亡くした女性バベットを、彼女達が逡巡しつつ受け入れる姿。
・その後、十数年が経ち、バベットが掛けていた宝くじが当たるシーン。ナント1万フランである。
ー 当然、彼女はそのお金で新たなる生活を切り開くと思いきや、その全額を掛けて彼女が世話になったデンマークの人達に料理を供するのである。今作でも描かれているように彼女は且つて、仏蘭西の名店のスーシェフであったのである。ー
■彼女は1万フランを投げ打って、高名なワインの数々、黒トリュフ、鶉を惜しげもなく買い、見事な料理を作り上げ、お世話になったデンマークの海辺の村の民に供するのである。
<今作は、近年仏蘭西映画で時折描かれる(代表は「デリシュ!」かな。)の先見的な作品であると思う。
食が、人と人を結びつける過程を、描いた作品である。
佳き作品であると思うし、この作品が後年の映画に与えた影響は大きのではないかな、と思った作品でもある。
鑑賞後の爽やかな印章も忘れ難き作品である。>
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