「自分に誇りを持ちたい人に捧げられた映画」バベットの晩餐会 とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)
自分に誇りを持ちたい人に捧げられた映画
「何を食べさせられるのか、わからないのです」
14年も奉仕してきた人が作る料理を、魔女の料理とな(笑)。
でも、材料を見ると、見慣れないものばかり。仕方ないか(笑)。
そして、晩餐会が始まると…。
宗教を超えた普遍的な物語。
さりげなく革命を絡めて、栄枯盛衰・諸行無常を語る。その中で残るもの。
心が満たされると、過去の思い出が、今に、未来に繋がり、全てのものに感謝の想いが拡がっていく。
豊かさって、物でも、栄光でもないんだなあとしみじみ。
「貧しい芸術家はいません」
「常にお客様を喜ばせてきました。力の限りを尽くして」
最高の場を自分で作りだしたバベット。どんな境遇になっても失われない、自身への誇り。人の満ち足りた顔を見ることが目的で、称賛を求めているわけではない。
自身への栄誉ではなく、人への奉仕に尽くした姉妹へのご褒美ろなる展開。
観ているだけでも幸せになってくる。
そして、生き方を考えさせられる。
静かなる名品。
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