バッファロー'66のレビュー・感想・評価
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ダメ男子の妄想っぽい物語が面白くもあり、モヤつく気持ちもあり…
◯作品全体
身もふたもなく言ってしまうと、ダメな男の妄想みたいな作品だった。
出所してきたばかりのビリーは、いわばなにもない人間だ。帰る場所は仲の悪い実家しかないし、確実にあるのはキックを外したアメフト選手への憎悪だけ。しかもワザと外したなんていう、陰謀説めいた噂話をきっかけにした憎悪で救いようがない。そう、家庭環境や本人の性格含め、ビリーはまさしく救いようのない男なのだ。
さらにレイラとの出会いは「無」どころか脅しと拘束によってマイナスからのスタートだが、「無」に打ちのめされたビリーの言うことをレイラは無条件で聞き入れてくれるうえ、好意を寄せてくれる。…うーん、なんというか、欲求不満の人間が3秒で考えついたようなプロットだ。
それでも復讐という本懐は譲れない(というところもやけに漢気臭くて妄想っぽい)と、アメフト選手の目の前まで行くがレイラの愛の力が憎悪に打ち勝ち、二人幸せに添い寝して終わる。やはり妄想みたいなラスト。
レイラは、ビリー自身も作中で口にしていた「天使」という言葉がふさわしい。救いようのない人間を救ってくれるのは人間ではなく天使なわけだ。天使はもちろん実在しないので、そういう意味でも「妄想っぷり」を楽しむ映画なんだろうけれど、ビリーの人間性がかなりノイズだった。ビリーがこの日に限ってツイてない人間だったり、性根は良いやつみたいなエピソードがあれば違ったのかもしれない。しかし罪を背負わされたのは自分のせいだし、友人に対してナチュラルに蔑称で呼んでるし、これからも愛の力によってすべてを解決できなさそうな感じがする。ダメ男の「愛している」は信頼できない。
さらに、本作は ヴィンセント・ギャロ監督の実際あった出来事からインスピレーションを受けて作られたんだとか。そうなるともう、ダメ男とかどうとかじゃなくて、モテるクズ男の物語みたいな感じになってきて、「こういう悪態つきたくなる日もあるし、それを救ってほしい日もあるよな…」みたいな感想もルックスの壁によってチープな感情になり果ててしまった感がある。
ビリーをのクズっぷりにモヤモヤするところはあれど、空から美少女が降ってくる作品特有の、妄想設定とキャラの魅力でガンガン進めていく展開は楽しい作品だった。
〇カメラワークとか
・家族との食事シーン、主観で他三人を映すっていうのをそれぞれの人物でやっていて面白かった。面白かったけど位置関係がわかりづらくてすごく混乱した。
・回想や空想のシーンを小さい画面から拡大していく演出が面白かった。2,30年前のバラエティ番組とかではよく見たけど、最近はめっきり見なくなった。
・一番笑ったのはホテルで横たわる二人を俯瞰で撮るカット。レイラはリラックスして寝てるのに、ビリーは斜めに姿勢正しく寝ていて、その姿勢がギャグっぽくて面白かった。
・ラストカットのハッピーエンドな止めカットは恋愛シミュゲーのスチルっぽくて笑ってしまった。
・ヴィンセント・ギャロ監督は小津ファンでFIXのカットが多いのはその影響らしいけど、なんか本質ではないFIXな気がする。個人的には小津作品のFIXの良さってレイアウトの良さの強調にあると思ってるから、ぼんやりとしたレイアウトにFIX使ってもなあ…となってしまう。家族のシーンに尺を使ったのも小津作品の文脈なのかもしれないけど…。
〇その他
・ホテルのシーンでビリーが他者と壁を作る臆病な人間であることがわかる。これを見て「そうだよな、人と近付くのって怖いよな…」と共感したけど、「でもヤンキーとか不良もビビってるからオラつくんだよな…ビリーも同じだな…」と考えてしまってすぐに共感が冷めた。
・ラストシーン、個人的にはすごい驚いた。ホテルの部屋を見た時に灯りはあれどレイラの姿は見せないし、ドーナツ屋でウキウキになってるビリーに結構な尺を割いていたし、これはもうホテルに戻ったらレイラが居ないパターンだなと思っていたらあっさりハッピーエンドだった。
・なんといってもレイラ役のクリスティーナ・リッチの魅力。着てる服がそうさせるのか、ちょっとぽてっとしたスタイルもかわいらしいし、ビリーへの心配りを感じる視線の送り方もとても良かった。タップダンスのシーンは謎だったけど、クリスティーナ・リッチが魅力的なので謎でも全然良い。
変わり種な感じ 面白かった
ハッピーエンドでよかった。レイラの真っ直ぐな愛にも靡かないかと思った。そこはレイラが見込んだ通りビリーが心根が優しかったということか。。
レイラがなぜビリーを受け入れて好きになったのかわからないけど、描かれていないところで、レイラにも暗いバックグラウンドがあって共感できるところがあったということだろうか。
ビリーの人物像は、目を背けたくなるような人間の弱い部分を凝縮して突きつけられてる感じがして、ずっと居心地が悪かったけど、本当の愛に触れると変われるんだな。
あとはレイラがすごく可愛い。あどけなさが残りつつ綺麗な感じ。
スローモーションとか、血飛沫のところとか、絵が見ていて面白い、惹きつけられる映像になっていた。
淡々としながら共感出来る名作
初めて知った映画になるが、
ポスターのギャロさんとリッチさんに惹かれて鑑賞。
いやぁ…、
こんなところで名作が見れるとは思ってもみなかった。
何も叩き込まなかったからこそ、
いきなりの口の悪いビリーに驚かされた。
結構彼言いますねぇ…。
序盤からトイレも自由に行けない街に降り立ち、
軽い暴力に横暴な面がゴリゴリ。
挙げ句の果て借金した女性を拉致した上に、
偽装夫婦を演じさせるまでに…。
「このアンちゃん相当なやっちゃだなぁ…」と思わされたし、
家族との関係も非常に…。
でもみんな根は優しいし、
こだわりがあるんだなーと思ってみていた。
んでここらへんで我らが天使のレイラさんですよ。
彼女の観察眼が完璧すぎる…。
普通なら逃げ出したりしてもいい展開を、
きちんと言う事聞いてビリーをよく見ている。
孤独で本当は傲慢でも何でもなく、
不器用に不器用を重ねたどこにでも居る一般人。
不思議と最初の衝撃を忘れ、
デニーズで嗚咽するシーンで砕かれた。
いやぁ…生きられないよなぁ。
うん。
モーテルで彼女に困りながらも、
素直になれないながらに受け入れるシーンだったり、
キスシーンからハグしてのベッドシーン。
そういうシーンは無いが、
互いが最悪の形から、
如何に強烈惹かれていったのかよく伝わる場面だった。
「ココアが飲みたい」という彼女から発せられる、
「必ず戻ってきて」という力強い言葉。
復讐に狩られる彼からしたら、
一時の出会いを幾らでも無下に出来たろうに、
復讐は妄想世界で留めて吹っ切れる清々しさ。
ロッキーに悲しみを押し殺して伝えたシークレットナンバーも、
「俺の物だ」といつもの調子で取り消すのが良かったぜ…。
最後は待たせた彼女の為のLサイズ「チョコレート」に、
センスのいいハート型クッキー。
何だ何だ洒落ちゃって、大好きだぜこの野郎!!
非常に淡々として嫌な奴として描かれる主人公が、
最後にはスカッとしていながら甘酸っぱさも感じる人物になるとは…。
今の季節ともマッチしていて良かった。
これからも彼女が凍えそうなときに、
彼が孤独に殺されそうなときに、
互いに愛し合っていることを実感し合ってくれ…!
たまらない
公開時にシネウインドで見て、その後もレンタルで見て、なんなら漫画でも場面をパクるほど好きで、何度目かで改めて見るとやっぱり素晴らしい。
落ち着いて見ると童貞の妄想が詰まっている。主人公は女性を拉致監禁するようなタイプではなく、いくらか粗暴な面があっても弱者男性そのものなのだけど、おしっこがもれそうで思い余ってしまったと解釈できる。ちょっとぽっちゃりしたクリスチーナ・リッチが美しいしかわいいし優しいし、童貞に都合がよすぎる。胸に顔をうずめるのうらやましい。しかも乗っている車がMTのカローラトレノで前がへこんでいる。そんなゆるさが、ギャロについ惹かれてしまうのもわかるようだ。車も好きで選んだわけでもなさそうで、ボロボロのMTだから安かったのだろう。すごくいい。
主人公の両親が息子に対して愛着が全然ない。息子よりフットボールチームに夢中だし、両親のベッドルームは別々だ。ただ主人公はボーリングの名人で、そこで出会いがあってもよさそうなものだ。彼が好きな同級生のウェンディ、ひどい女だ。どこがよかったのだろう。
寒々しい天気も心細くていい。場末感がすごくいい。音楽もよくて、サントラを聴いたよく聴いたベスト5に入る。
音楽や急にボウリング場で踊りだすクリスチーナ・リッチ、自室で朗々と歌うベンギャザラなど演出やカットが切れに切れており、クライマックスの銃撃のバレットタイムもどきも最高だ。
あなたは世界一優しくてハンサム
レイラとビリー
誘拐なんだけど
ほぼ同意の上で一緒に居たよね♡
そんなレイラが可愛くて🥹
最初の出会いは喧嘩からだったのに…
ビリーとの距離感とか
打ち解けていく感じとか凄く巧みに描かれてて
最後がちゃんとハッピーエンドなのがまた素敵✨️
大好きな作品になりました。
リバイバル上映観に行って正解でしたー🙆♀️
合いませんでした💦
フォロワー様より、強く勧められた本作が
たまたまリバイバル公開していたので
劇場へ行ってきました🎥
なぜこの映画はこんなにも評価が高いのか🤔
レイラがビリーに惹かれた理由もわからんし
共感も出来んし、あの両親も無理やし
何より当のビリーにイラつくだけなんだけど😑💢
期待していたキスシーン
キュンキュンどころか「は?!💢」ってなった。
なんだ、この良さがわからないわたしは
心が汚れたのか🤔(笑)
不思議な空気感の作品
何がどうのとかもないのだが、終わった時には
何か不思議な満足感がある作品。この主人公のような駄目で
イキってて小心者で、どう見ても主人公ではないキャラが
主人公な、不思議な作品。
根が良いのかな。環境が良くなかったのか。
今はこういう人間には、何かしらの名前がつきそうな。
また見たらまた違う感想が出そうな。
モヤっとしたまま終わるけど、嫌な感じでもなく。
憎めない可愛い奴
ずっと気になってたけどU-NEXTにしかないから見れてなかったやつ。
普通の恋愛映画と全然ちがう。
序盤はビリーの性格が無理すぎて嫌になったが、途中から憎めない可愛いやつに見えてくる。
レイラは登場からずっとかわいい。
なんでレイラが逃げないのかが理解できなかったけど、レイラも孤独な人でビリーと合ったからかな。
2人がベッドで寝っ転がってる時の上からの映像が笑った。
ビリーが固まりすぎてて。斜めにカチコチになって寝てて面白かった。
最後自殺したかと思ってちょっと涙出たが、思い直して幸せに暮らすエンドで良かった。
彼女が出来たと舞い上がりすぎてて笑った。
親がちゃんとしてたらいい子に育ってそうなのに。。
粗暴で優しい男
こんな男のどこがいいのか、逃げるタイミングはいっぱいあるのに、なせ逃げないのかと、最初はそんな気持ちで見ていた。
しかし、男の家に行ってみると、なんとも自分勝手な両親の家庭環境から孤独な男の心に触れて少しずつ心を寄せるようになる。
粗暴で短気で暴力的であるのにとても女性には純粋で奥手。映画が進むにつれ、観ている側の彼への感情はレイラに寄り添っていく。母性本能をくすぐられるってこのことかも。
そして、予想外にあたたかなラストに癒された。
ダメ男に惚れるレイラが不思議
他人の代役で5年の刑期を終えたビリー(ビンセント•ギャロ)は、出所後故郷の街バッファローへ帰ることにした。音信不通にしていた両親に電話し「婚約者を連れて行く」と嘘をついてしまったため、ダンス教室で見つけた見ず知らずの女性レイラ(クリスティーナ•リッチ)を拉致し、恋人のふりをするよう強要する。レイラはビリーの両親の家に行き妻役を演じたりしてるうちにビリーに好意を持ち始めるという話。
ビリーの父親の突然のキレ具合や母親のアメフト熱中度が面白い。
ビリーが他人の代役で罪を被る事になったのがスーパーボールでバッファローに賭け、負けた事による借金を払えなくなったのが原因だけど、金もないのに約100万円も賭けるバカは自業自得。挙句に、好きだった同級生の彼女にファミレスで会っても相手にされてない様な片思い意気地なしぶり。
そんなダメ男にレイラが惚れてしまうのもなんとも不思議。
最後に憎んでた元アメフト選手を撃たなくてよかったね、って感想。
レイラの巨乳が気になった。
セオリー無視。なのにオーソドックスでクソ面白い映画です!!
たぶんこの映画を観たのは18年ぶりぐらいだと思います。シネ・リーブル梅田でリバイバル上映していたので観に行きました。
くだらない映画だなぁと思いました。
──でも、最高でした!!
ビリーが刑務所から出てきてスコットを殺しに行くまでのせいぜい18時間くらいを描いているだけです。しかも動機は逆恨み。ビリーは、アメフトで地元チームのバッファローが勝って優勝する方に大金を賭けたのですが、負けてしまったためマフィア(?)のボスの怒りを買い、刑務所に入ることになってしまいました。バッファローが負けたのは、当時バッファローの選手だったスコットがゴールを外したのが原因で、ビリーは彼がわざと外したと思っています。だから「殺してやる」というわけです。
アホだなぁと思いました。
きっとこの映画の脚本を監督やプロデューサーに持って行っても、おそらく却下ですよ。だってリアリティないですもん。酷評されて終了だと思います。
例えばレイラがビリーについていく理由って、まったく分からないですよね。脅されているとはいえ、逃げたり警察に駆け込むチャンスはいくらでもあります。何せレイラを車の中に残して立ちションしに行くのですから。「いや、そこで逃げないのがこの映画の世界観だし、この作品の面白いところじゃない」と反論されるでしょう。その通りなんですけど、脚本だとここで何で逃げないんだって思われてアウトだと思います。
そもそもレイラのことは素性も何もまったく分かりませんしね。あえてそうしているのでしょうし、謎めいているからこそ、この作品のヒロインにふさわしいのかもしれません。でも、そのキャラクターにふさわしい納得のできる行動をしてほしいです。まだただの誘拐犯でしかないビリーに従って両親に会うのは納得できないです。正直、ちゃんとプロフィールやバックストーリーを作っているのかどうか疑わしいと思っています。
ビリーの両親もヤバいです。二人とも息子にまったく関心がありません。何年も音信不通になっていた息子が久しぶりに帰ってきたのに。母親なんて「ビリーを出産してたせいでひいきのフットボールチームが優勝した瞬間が見れなかった。産まなきゃ良かった」とか本人に言ってしまう有様です。
僕がプロデューサーならきっと「こんな親いねー」って言うと思います。
まともに人物造形されているのはビリーだけです。
でも、残念ながら面白いんですよね。僕が学んできた脚本のセオリーとか、一体なんだったんだって思っちゃいますよ。
きっとビリーを描くとことにしか興味がないんでしょう。その他の登場人物はビリーを描くための、まさに脇役にすぎないんだと思います。おそらくビンセント・ギャロは「ビリーさえきちんと描ければ他の人物は何も描かなくて良い」と腹を括ったに違いありません。知らんけど。
ビリーだけに焦点を絞り込んで、そのために必要のない設定は削ぎ落としている、と考えると潔い気がしてきました。
映画の基本は主人公の葛藤や変化を描くことなので、ビリーに焦点を絞り込むっていうのは正しいんですよね。先ほど「僕が学んできた脚本のセオリー」が云々って書いたところで正反対のことを言いますが、こうして考えると『バッファロー’66』は極めて基本に忠実な、オーソドックスな作品なのかもしれません。
でも、それでもレイラのことは、もうちょっと描いて良い気がしますけどね。
見るものに自身のクズ性を振り返らせる映画
どうしようもない惨めで悲しく情けない不器用なクズ野郎というのが世の中にはいる。
それは、おそらく世の中の男性の結構な数が抱える闇の、あるいは病みの性分であり、この映画はそんな反社会的な見る側(男性)の一部分を悲しく切なく馬鹿らしく見せつけてくる。
主人公ビリー・ブラウンは、恋人はいないし、友達も互いに切磋琢磨できるような親友ではなく、髪がボサボサの浮浪者のような格好で、頭が悪いグーン(のろま)しかいない。普通はのろま扱いして馬鹿にしてる人のことは友達とは言えない。だから、友達もいない。
そして、両親はというと、地元バッファローのアメフトチームの応援に人生を捧げて、一人息子の人生に全く関心のない母親、そして息子のやることなすことに腹を立てて怒鳴り散らす父親だ。この両親から全く愛情を授かったことがないビリー。
だからこうした愛もへったくれもない両親がビリーのような惨めで情けない男を世の中に意図せずして放り投げたかのようにみえる。でも、非常に個人的な話、こんな親はけっこういる。アメリカのバッファローだけじゃなく、日本だってたくさんいる。世界中にいる。だから共感できるわけだ。わたしの両親もどこかこういう面があった。世の中のダメな親の要素を、犯罪者手前の要素を濾してところてんにしたらこんな素晴らしいキャラクターが出来あがった!この映画には惨めなビリーを産み育てたこの親とじぶんの親を照らし合わせ想いをはせることができる、そんな絶妙な素晴らしさがある。
この親が世界規模で存在するなら、そのビリーの惨めさ情けなさ不器用さはもちろん世界規模だ。これは俺だ!と観客(私)は思い、ビリーがデニーズの便所で「もう生きられない」と泣くシーンに共感してしまい…追い詰められて、ストリップを開いたと聞き、そいつの罪をかぶった、中年ハゲのジャバザハットのような男と共にキングクリムゾンの絶妙な脳内選曲でストリップでスイサイドする。素晴らしい!そしてものすごく悲しい。人生はカスだと皆(男性諸君)が思い、ビリーのスイサイドの刹那にカタルシスを得る。
と思いきや、あのなんとも志村けんのだっふんだのようなラストの展開に、若い頃見た時は安心したのに、結末を忘れていておじさんになった今、改めて観て、少しムカついてしまった。若い時は純粋にビリーが可哀想で死んでほしくなかった。おじさんの今、ビリーのスイサイドを望んでいる自分に自身がビリー化、クズ化しているのではと思わせる恐怖の瞬間だった。
クズ性は、生まれつき性格がよいか、しっかりものの親の愛情たっぷりなしつけがない限り多くの人が自然と授かるものだと思う。でもこの年になって親がどうのこうのは恥ずかしくて…そんな惨めな発想しかできない自身のクズ性は消えるどころか増幅していると思わせる恐怖の映画であった。
途中までイライラしながら観ていたのですが、最後に「なんか良いかも」に変化しました。魔法にかけられた気分になる不思議な作品です。
何となく上映作品一覧を眺めていて
これは良いかも? と気になる作品があります。
これもその流れで鑑賞しました。
務めを終えて刑務所から出てくる一人の男。
刑務所前でバスを待っていたが、何やら非常事態
「トイレ貸してくれ」
「一度出た人間は入れない」 …そりゃそうだ
この 「トイレ緊急事態」 と
両親に見栄を張った 「嫁を見せに連れて行く」 とのウソが
場当たりな 「拉致監禁劇」 へ繋がっていき… ふぅ
そんなわけで
トイレを探しながら「ダミー嫁」も探す主人公
ダンス教室(?)でたまたま見かけた20才くらいの少女を
強引にさらうのですが、
その一連の場面が 「突っ込み所満載」…
そしてまた
この少女がまたヘンというか変わっているというか (あ、同じ意味か…)
「なんで逃げないの?」 心の声
というのも
この少女の車を使って
この少女に運転させて
途中おしっこガマンの限界に達し
逃げるなよと声をかけただけで
車から離れて「立ち○ョン」 …
「ねぇ、なんで今逃げないの …?」 心の声(大)
ホント逃げないんですよ、この娘…
「立ちショ○中」の男を置いて、そのまま車で逃げてしまえば
そこで「拉致監禁」 終了なのに…
けれど、この娘ば逃げません。
ボウリング場でゲームを始めたり
両親に見せる写真を肩を並べて撮っていた と
次第に犯人の男に協力的になっていく…
◇
正直なところ、終わり10分前くらいまでは
「ハズレ作品だったかなぁ」
との気分で一杯でした。
それが
最後に見事にひっくり返ります。
「あいつだけは許せない」
その相手に引導をわたしてやる と
少女をホテルに残し、銃を手に立ち去ろうとする男。
「戻ってくるんでしょ?」
眠っていると思った少女が声をかける。
「…」
「あぁ、戻ってくる」
そのままホテルを後にする男。
「やはり奴を許せない」
やがて男は拳銃を持って
標的の目の前にたつ。そして ずどーん
ストップモーションで血を噴く相手
自分のコメカミに銃口を当て ずどーん
おしまい
と思いきや …あらら?
以下、ラストに続きます。
この後の展開は、ご自分で確かめてみてください。
◇
私は、ハズレ評価から
「悪くはないかも」 そして 「観て良かった」に変わりました。
主人公たちにイライラ感じていたものが
いい意味でひっくり返りました やられた
「いい感じ」 ⇒ 「なんだこれ」 になるパターンなら
結構あるかと思うのですが
この作品は、「逆」 でした。
すくなくとも私にとっては。 やられました
オセロゲーム
最後の一手でひっくり返された気分。
なんだこりゃ一転
微笑んで見守るしかないエンディングになりました。
(苦笑いも含みますが…)
◇
それにしても主人公とヒロイン
イケメンなのか可愛いのか
それとも、そうじゃないのか
見方によってどちらにも見える絶妙な配役でした。
ボウリング
なんか懐かしくなりました。
長いことやっていません。
もう一度やってみたくなりましたが、体が動くかどうか…。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
時代の違いはだいぶ感じるけど楽しめた
98年公開作品となると今から20年も前の作品になるのか。主人公の女性に対するオラオラ感など時代の違いはだいぶ感じるシーンは多々あったけど普通に楽しく2時間鑑賞する事ができた。
主人公のビリーは刑務所から出てきて早々とレイラを拉致して妻のふりして自分の妻のフリをしろと脅すところから作品は始まる。
仕事も政府関係の仕事だの両親に嘘をつき、そこまで見栄を張らなきゃいけない由緒正しい家庭なのかと思いきや訳あり両親であり、あまり息子のことなんか気にもかけてない。
ストーリーが進むにつれてビリーは愛されることを知らずに育ってきたんだなというのがひしひし伝わる。
レイラも拉致された身でありながらビリーに好意を抱き側に寄り添い愛を与える。
ビリーに心を許したレイラに対しても作中内では一定以上男女関係にはならず、その辺りもビリーのこれまでの生い立ちや背景がひしひしと伝わる。
この辺のビリーの確固たる過去の描写とかを描かず想像させてくれるのは見ていて楽しいものだ。
楽しむ事はできたがビリーのレイラに対する横暴さは作品といえどこの時代でみるとやっぱり不快感は覚えるよね。
あんなにイライラする姿は共感はできないが愛なく育つとビリーのような拗らせた性格になるのもとてもリアルな感じで理解はできる。
あまりこの時代の作品を積極的に映画館で見ることはないが今回シネクイント系列の招待券をもらい行く機会ができ、そして楽しむ事ができたのでとても幸せな気持ちになれた。
両親に虐げられて育った背景がつらい。
ほんと、この父親と母親の最悪のキャラクター設定がすばらしい。
だから、天使に出会っても文句はありません!
奪うんじゃなくて与える(奢る)ことを選んだ主人公に幸あれ!
いやしのレイラ
ニューヨーク州バッファローの壊れた家庭で育ったビリー(ガロ)。
すぐに激昂する癇癪持ちの親父。ビリーが子供のころ可愛がっていた子犬をうるさいとひねり殺してしまう回想シーン。
病的なほどにアメフトチームに入れ込み過ぎの母親。ご贔屓のチームが最後に優勝した66年はビリーを産んだ年で、そのため優勝を決めた試合を見ることができなかったと今でもいうほど。それも冗談ではない。マジだ。チョコレート(カカオ)アレルギーのビリーにチョコレートドーナッツをすすめる母親。回想シーンは漫画の吹き出しのように四角の画面から始まるのでわかり易い。
そんな家に育ったビリーは嘘をつかなきゃやってられない人間になってしまったのかな。可哀想!と思いはじめたということはわたしも立派なストックホルムシンドロームですね。
母親の影響か一発逆転を賭けて、バッファロー・ヒルズに実際は持ってない一万ドルを賭けてしまう大馬鹿野郎。ノミ屋の元締めの怒りを買う。その代償は真犯人として名乗り出て、刑務所に収監されている元締の仲間の刑を肩代わりすることだった。
5年の刑期を終えて刑務所を出るビリー。バス停🚏でオシッコ!となる。刑務所に戻って、トイレを借りようと門番を呼ぶが「一度出たものは入れない。もうすぐバスが来るぞ」と門前払い。延々、オシッコを我慢するロードムービー。オシッコなのか💩なのかわからなかったもので、ヒヤヒヤしました。駅のトイレは清掃中で閉鎖、お店では断られ、忍び込んだビルで用を足すかと思いきやトイレにいた男にキレまくり。家の両親に公衆電話から電話しようとしたところを通りかかったダンス練習中のレイラに小銭を出させて、親に嘘ばっかり話す。オヨヨ。さらにレイラを拉致して、レイラのトヨタセリカXXGTで自宅に向かう途中でやっと、立ち小便。少し落ち着いて、レイラに詫びて謝る。政府の仕事で長いこと留守にしていたけど、フィアンセ連れて凱旋する演技をして取り繕ってくれと。名前もレイラはダメだ。ウェンディ・バルサムだと押しつける。
見栄からにせよ、親孝行息子を演じたくなったのは、あんな家でも親子は親子だからかな。かわいいじゃないですか。拉致されたレイラはブロンドヘアで色白の爆乳娘。両親も喜ぶ。おまけに妊娠していると、ダメ押し。
CIAにお勤めのすごく優しくてハンサムなビリーに首ったけのフィアンセを演じ切って、家をあとにする二人。
それから、ボーリング🎳場に行ったり、ファミレスに行ったり、モーテルに泊まったり。ボーリング場でのレイラのタップダンスシーンもありました。
ビリーが刑務所に入ることになったのは八百長(フィールドキックをわざと失敗して、ジャイアンツに一点差で負けた)選手のせいだと思い込むようになり、復讐を計画するその選手スコットはストリップ劇場を経営していることを突き止めて、心配するレイラを残して、深夜にひとりで行くのだが・・・・
クライマックス直前で、おーっと、横の奥の席のカップルの男が途中退場。
スコットのストリップ劇場の場面がきれいに終わってから戻ってきた。
馬鹿だなぁ! オシッコなんかビリーみたいに我慢しなよ!と思った私。
スコットが太った田中哲司に見えてしまったw
優しいレイラの過去には何があったのかな。それとも、何もないからアホなビリーを赦せるようになって行ったのかなぁ?
音楽もよかった。
昭和な映画を令和に見て、レイラに癒されました。
タイトルなし(ネタバレ)
過去を想起させる画面演出、最後はそこがトリックに使われていて、感動した。また、実家において4人で囲む食卓のシーンが自分には既視感ややあるかしも目新しく新鮮だった。
ヘタレな主人公が愛され、愛することを知る物語。親友グーンへの愛、両親の愛?笑にも目が行くエンドが気持ち良かった。ただ前半の尿意を我慢しながらのマシンガントークはやや気疲れするかも知れないので、そこを耐えれば後はおしゃれに可愛く純朴に進みます。
理想の音響たち
走り方がうますぎる
途中で見るのやめようってなるくらいギャロがなんかダサい!!
走り方とか丈短すぎるジャンパーとかトイレ行きたがりなところとか
ボーリング連れて行って店主と話す時、おるおる〜こういうやたら自意識過剰で誰か聞いてるって思いながら話すやつ〜ってなった
でも憎めない!キャッチコピー通り
何回も見てやっと良い!ってなる映画
駄メンズ・ギャロ
とにかくビンセント・ギャロの世界という感じの映画。
一見、現実味のないストーリーですが、映像センスとクリスティーナリッチの母性本能的な優しさに包まれるラブストーリー。
いちいち映像がお洒落。
変な映画
popeyeで知ってみた映画
あと好きなDJがおすすめしてた映画
タクシードライバー、ドライヴ、バッファロー'66 仕事人映画はかっこいい
けどこれはだいぶ異質で、吹き出しそうになるシーンも多数(ボウリング場で踊る、両親の会話)
映像のつくりかたも異質、こんなのはほかにみたことない
始まり方と終わり方が最高だからまたみたいなと思う
最後のコーヒーショップのビリーのような、きさくな人に私はなりたい
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