白虎

劇場公開日:

解説

「流星」「面影三四郎」の富田常雄の原作で「王将(1948)」の伊藤大輔が脚本を書いた、監督は「二十一の指紋」の松田定次、キャメラは「酔いどれ天使」で撮影賞をもらった伊藤武夫が受持つ、企画は「不良少女(1949)」のマキノ満男、連合映画作家協会第一回作品である。原作は大阪新聞に連載されたもの。片岡千恵蔵の松竹第一回出演、その他キャストは月形龍之介、志村喬、坂東好太郎、宇野重吉、進藤英太郎等が顏を揃える。

1949年製作/88分/日本
配給:連合プロ
劇場公開日:1949年6月20日

ストーリー

明治十五年ころ、自由民権の思想は遼原の火の如く拡がっていた。熱血憂国の士水上乙二郎は、恐るべき官憲の暴圧に抗しつつ各所でその血の出るような演舌会を開いていたが、警察の網は強力に縮まり、遂に東京から去らねばならなくなった。乙二郎に前々から心を寄せている玉ずしのお艶坊とも暫く別れることになった。追われ、流れて、岐阜の町はずれの芝居小屋で、乙二郎は坂東駒十郎というナカナカに気骨のある役者と知り合った。彼は乙二郎を励し、力になってやると約束した。その小屋のお茶子に雇われていた登志は乙二郎と相引き合う気持ちを感じた。乙二郎の心は時と共に登志の清純さに傾いていった。その折、まずい事件が起った。板垣退助がこの土地の演舌会で襲撃され驚いてかけつけた乙二郎を、真野刑事が捕えようとした。二人の格闘。乙二郎はちょうど手に触った刀の柄でなぐりつけ、真野はこん倒した。明る日、真野の死亡が伝えられた。そして、刀の持主である登志の義父磯貝彦之丞が検挙され、自殺してしまった。乙二郎の驚がく、苦もん。その彼の前に漂然と現われた男。探てい刑事富岡英一。富岡は暗に、俺は知ってる、と乙二郎にほのめかした。乙二郎の苦悩は更に増した。その後の長い年月。追われる乙二郎と、追う富岡の、凄じい心理の葛藤。乙二郎は心に深く決し、日本一の男になって、そのあかつきに登志に総てを話そうと思っていた。坂東駒十郎は蔭になり、日向になり彼を助けてくれた。再び東京に現われた乙二郎は、人が変わったように酒を喰い暴れた。でも、心の苦もんを払いのけることは出来なかった。富岡は出世し警視になって羽振りをきかしていた。乙二郎は東京から退去を命ぜられた。登志は柳橋から芸者に出ていて、富岡は彼女をしつこく追い回わしていた。彼女は固く拒みつづけた。数年経ち、乙二郎は壮士芝居の座長として、颯爽東京に現われ、死んだと伝えられた真野が姿を見せた。富岡の陰謀は遂に暴かれた--。

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