「散文的モンタージュながら独特な味わいがある西ドイツ映画の佳編」バグダッド・カフェ Gustavさんの映画レビュー(感想・評価)
散文的モンタージュながら独特な味わいがある西ドイツ映画の佳編
旅行中の夫婦喧嘩の果てに別れた中年ドイツ夫人が辿り着いたアメリカの安ホテルで、夫に家出され同じ独り身の黒人の女主と次第にこころが溶け合い、熱い友情で結ばれる微笑ましいドラマ。外見は全く綺麗ではない肥満の主人公が、ホテルの住人の画家に愛されるシチュエーションで、女神のように穏やかに美しくなっていく流れが、とても映画的。カット編集に省略を多用した散文的モンタージュのユニークな演出でも、何とも言えない味わいのある西ドイツ映画になっている。映像空間の心地良さを感じられる。ジャック・パランスの使い方が巧い。
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