「開拓者または指名を感じた者」バグダッド・カフェ lotas renさんの映画レビュー(感想・評価)
開拓者または指名を感じた者
レビューを読んでいて、色々な意見はありますが、東南アジアの駐在経験がある自分がこの映画を観て感じた事はこのオバさんはとても良い空気をこのバグダッドカフェにもたらしたと言う事。
仕事上の監督者または店長、責任者の責務と言うのは、いかに効率よく任された範疇のアウトプットを出すかという事にある。その立場にある人は特に観た方がいい映画だと。
オバさんが大きなお節介をしながら周りが巻き込まれていく様を映していますが、リーダーシップを発揮しなくてはいけない責任を課せられた監督者はこのオバさんのような働きをしなくてはいけないと思います。
さびれた、汚い、職場環境をいかに変えるか。それはリーダーによってすべて変わるという事です。リーダーが先頭切って真剣になって想いを込めて進めればいかにひどい環境でも変える事が出来る。その為には知識も努力も必要という事でしょう。人を惹きつけるスキルも必要なのでしょう。
オバさんがただ活躍すると言うより、中年の中間管理職のおじさんが振る舞うべき心構えについての教訓が描かれている。そういう映画と思いました。
そして、それは異国に駐在してしまったのだけれど、頑張って持ち合わせている知識をリーダーシップを発揮して環境を変えて行く、そんな、サラリーマンに課せられたミッションそのものなのです。
あのオバさんを観ながら、駐在していた日々が懐かしく感じた。そんな映画でした。
そういう意味では共感出来ない人が多数いるのもわかります。
でも、自分的には主人公が若いキレイな女性ではなく、オバさんだったのが、よりリアルで良かったかと。
何事もオバさんみたいに率先垂範して現場を観ながら現物と触れて現実を感じて生きて行かないといけないと思います。