劇場公開日 1997年7月5日

「ネオ・ノワールの傑作だ。」バウンド 瀬戸口仁さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ネオ・ノワールの傑作だ。

2024年9月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

犯罪組織の大金強奪を計画した2人の女性を描くネオ・ノワール。
セックスや暴力など、刺激的な描写の一方で、とてもよく練られた脚本と素晴らしい演技こそ、本作の真骨頂だ。

1つの出来事が別な出来事に繋がり、別の出来事が、さらなる出来事に繋がる構成で、全てが繋がる過程を、スタイリッシュかつスリリングに描き切っている。

ジーナ・ガーションは、男性的な前科者を演じたが、とても魅力的だ。ジェニファー・ティリーの悪女ぶりも艶めかしい。ジョー・パントリアーノも熱演だし、キャスト陣の高いパフォーマンスが実に印象的。

テンポも良く、緊張感に満ちた犯罪サスペンスだ。無駄が無く、シニカルなユーモアを適度に混ぜている。ネオ・ノワールの傑作と同時に、レズビアンの愛欲を描いた映画としても一級品だし、最後まで本当に引き込まれた傑作だ。

瀬戸口仁