バウンティフルへの旅のレビュー・感想・評価
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嫁姑の関係改善は出来たようでも、今後の生活の変わらぬ繰り返しが予感され…
このタイトルを初めて見た時に、
「戦艦バウンティ」関連物かと思った😅位、
全く知らない作品だったが、調べてみたら、
キネマ旬報ベストテンにおいて、
タヴィアーニ兄弟、オリバー・ストーン、
ウディ・アレン作品が、
第1位~第3位に選出された年に、
第14位ながらも、
ベストワンに選出した選考委員が2名もいた点
に興味を引かれ、TV放映を機に初鑑賞した。
なんともしっとりとした展開の
色々な問題をはらんだ作品ではあった。
姑が息子夫婦の賄い婦かのような
まるで嫁が優位に立っているという
現代風の嫁と姑の関係、
必ずしも実際の想いとは一致しない結婚
の現実、
自然と開拓の繰り返しと過疎の問題、
故郷への想いと現実の間(はざま)等々。
でも、そんな中でも主人公は
バスで同乗した若妻、
バス待合所の係員、
保安官、
等々の優しい人々に導かれるように
帰郷して廃屋となった懐かしの我が家を
見ることが出来た。
私個人の経験として、
故郷の生まれ育った我が家を
懐かしんだ数年後に、
売却先の人の手で更地になり、
別の建物に建て変わったことを見届けた時の
自分の過去の記憶の一部が消え去って行って
しまったような寂寥感が思い出された。
この作品の主人公も、
荒れ果てた我が家を見た時、
どんな想いであったのだろうか。
そんなことも含め、それなりに
考えさせる要素は盛り沢山なので、
最後まで観る上での集中は失われなかった。
しかし、何故か自らは働くことなく
義母の年金を当てにする口うるさい嫁は
それなりに義母を気遣う人間像だが、
終盤に二人の関係改善は出来たようには
描かれるものの、
私には、今後の毎日の生活においては
結局は同じ繰り返しを予感させられるばかり
で、主人公のあの世へのお土産話が出来た
だけのようなこの物語に
どう対峙したら良いのか分からなかった。
一部の方には支持されたようではあるが、
私的には、しっとり感はあるものの、
人物描写が十分ではなく、
また、メリハリ感の弱い作風に
少し印象の弱い作品だった。
今は幻の駅、バウンティフル
イントロに出てくる草原の景色のピントが合ってないのは過去を表しているのだろうと想像は付いたが、昔、過ごしたそこに帰りたいと願い、ようやくなんとかたどりついたがまた息子夫婦に連れ戻される老婆のお話。
まあ、なんと切ないことか。というのはおばあさんの立場で考えるとそうなのだが嫁の立場から思うと「もう堪忍して欲しい」というところか?
息子は母にも手を焼くが気の強い嫁にも同様で見ていて気の毒というか気持ちがよくわかる。
道中、持病を抱えた老婆の冒険はちょっとドキドキも色んな人の優しさに接しながら昔住んでいた家にたどり着いたときは、ひょっとして安堵の余りそこで死んでしまうかもと思ったが・・・
最後まで 嫁は鬼嫁のままだったけれど離婚もせず、母親と同居も許しているところは決して鬼嫁だけではないのだろう。
まあ、おまえもちょっとは働けよと思ったけれどこの時代はアメリカも情勢の社会進出は大変だったのかも。
ジェラルディン・ペイジは若くして死んだとのことだが老婆役では年齢より大分老けて見えた。
バスの同乗者レベッカはじめ駅のおっチャンといい、保安官といい、本当にいい人に巡り会いながら旅を続けられて良かった。
しかし、親の年金を娘が取り上げるというのはいかがなものか?
そこは嫁に腹が立ち、其れをとがめない息子にも腹が立った。
そんな息子の給料は上がったのだろうか?
上がっていなかったらまた、気の強い嫁に責められるだろうなあ・・・
おばあさんのロードムービーは?
アカデミー賞主演女優賞受賞
私にとってジェラルディン・ペイジといえばドン・シーゲル監督の「白い肌の異常な夜」でクリント・イーストウッドの脚を切り落とした女が印象に残っている。
嫁に頭が上がらない息子夫婦と同居している母親は、20年前に離れた故郷の町バウンティフルに帰りたいと思っている。最近、心臓の具合も良くない。今日もだらしない息子の嫁に文句を言われ、なけなしの小銭と年金の小切手を手に家を出る。
駅でバウンティフル駅行きの切符を買おうとすると「その駅は閉鎖になった」と言われてバスで行く事にする。なけなしの小銭でバウンティフルの手前までの切符を買い、追ってきた息子夫婦をまいてバスに乗る。バスに同乗したレベッカ・デモーネイに優しい言葉をかけられ、故郷に帰ってからしたい事を語る。
到着した故郷の手前のバス停留所で、故郷での再会を楽しみにしていた友が亡くなり昨日葬儀だった事を知らされる。小切手を入れた鞄をバスに忘れたため折り返しのバスで届けてもらうの待つ間に息子夫婦が出した捜索願で保安官がやって来る。心臓発作で呼ばれた医師がバウンティフルに言っても良いと許可を出したので、保安官は車で彼女をバウンティフルまで送る。20年ぶりに見た故郷の空は青かったが、町は見る影もなかった。生まれ育った家に到着した彼女は昔を思い出す。保安官からの連絡を受けて息子夫婦が迎えに来る。
生家と故郷の状況を確認できた母親は踏ん切りがつき、息子夫婦と前よりも仲良く暮らしていこうと決心して戻るのである。
ジェラルディン・ペイジは、この作品でアカデミー賞主演女優賞を受賞したが、翌年亡くなっている。「バウンティフルへの旅」は、彼女にとっても最後の花道であった。
アカデミー賞主演女優賞受賞作品
嫁にいびられる姑が生まれ故郷への思いを募らせ旅に出る。
残された時間が少ない主人公の願いは、もう一度故郷を見ること。
心に染みる作品と言うのはそう多くない。
この作品はその数少ない中の一本と言える。
こういう映画に出会うために私は生きている。
何故かおばあちゃんもの(?)映画には惹かれるものがある。駅で切符...
感動モノというジャンル
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