「狼男だよ」ハウリング かもしださんの映画レビュー(感想・評価)
狼男だよ
TVの人気キャスターであるカレンは、殺人事件の犯人に呼び出され、ポルノショップの個室ブースへと入る。
彼女は、そこで男と出会い、何かを目撃し、襲われてしまう。
駆け付けた警官に男は射殺され、九死に一生を得たカレンだったが、心に傷を負い、何も思い出せなくなっていた。
医者の薦めで、カレンは仕事を休み、田舎に休養へ向かう事となったのだが…
「五分前は人間だった」
という、当時のキャッチコピーが示す通り、特殊メイクのロブ・ボッティンの仕事ぶりが本作の要であり、
また、彼の名を馳せるきっかけとなった作品でした。
ロブの師匠であるリック・ベイカーが、本作を観て仰天し、同時期に手掛けていた「狼男アメリカン」の特殊撮影をやり直したというのだからロブの実力は相当なものだと理解出来ます。
人から狼への変化を旧来からあるオーバーラップによる変身ではなく、特殊造形により、みるみる変化させていくという点が本作最大の魅力‼
低予算ながらも、機械操作のダミーや風船を駆使した筋肉の痙攣や、胸が波打つカットは今観ても凄まじい迫力を感じてしまいます。
顎がせり出すカットでは、ロブが手を突っ込んで押し出したというのだから驚きです😓
「お金を掛ければいい、という問題ではない」事を実証してくれた作品ですね🎵
さて、監督のジョー・ダンテについてですが、この作品から、後のダンテ作品に見られる極彩色の照明がチラホラ垣間見る事が出来ます。
また、狼印のチリ缶やTV画面に映る狼のアニメ番組といったイタズラも随所に…😅
…映画で遊び始めてます💦
本作には、コーマン門下生であるメンバーも多数いる事から、イタズラや遊びは遠慮がちではありますが、鼻につく人には耐えられないかもしれません💦
前作「ピラニア」と同様、女性の含みをもたせた笑みでエンディングを迎えますが、両作とも何とも言えない不安を残す、絶妙な終幕だと感じてなりません。
巧みです❕