パーフェクト ワールドのレビュー・感想・評価
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完成された世界、「パーフェクトワールド」を希求渇望する信仰
クリント・イーストウッド監督、
失うものの計り難さ、
与えるもののあまりの大きさ、その計り難さ。
それを
「ミリオンダラーズベイビー」
「グラントリノ」
と監督は真っ向から描いている。
『パーフェクトワールド』という言葉は、おそらく聖書のキリスト教信仰から来ているのだと思う
“その時悲しみと涙がぬぐわれ、すべてが報われ、離れていた者たちが再会して愛が成就し、一切の誤解が解ける”、と。
聖書は、世界が完成して天国が到来する様子をそのように約束している。
自分の命と引き換えに誰かを救うこと、これよりも大きな愛はないと聖書には書いてある。
イーストウッド監督の作品のベース・バックボーンに、このキリスト教世界観が据えられていることは、否定できないだろう。
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僕の卒業した小さな学校の庭には浮き輪の形をした池がありました。
学校の校舎の名は「ストーン記念館」。あの洞爺丸遭難事故で、海中で自分の救命胴衣を外して日本人男性に渡し、沈んでいったアルフレッド・ストーン牧師を記念するものです。
粗末な校舎なんですが、引き替えに支払われた賠償金でこの校舎は建てられました。
「パーフェクトワールド」は、痛いけれど、胸を打ちます。
切ない
子供が折檻されると自身の虐待を思い出し過剰に反応する。それは余りに異常ではあったが、本質的にはやさしい男。ただ、その極端さは理解されないだろう。過剰反応で罪を犯してしまったし、何度見ても切ない結末だった。
脱獄者と誘拐された子、警察署長と心理学者、二組が織りなす展開だが、脱獄者と所長との接点も明かされ一挙に重みを増す。単なる追跡劇を超えたドラマになった。
ケビン・コスナー、絶頂期があったのに最近見かけない。
イーストウッドの隠れた名作
最後は切なく、、
ローラダーンの膝蹴り
言わずと知れた、誘拐犯×誘拐された子供(人質)の金字塔である映画。
やっと観れたが、想像以上にぶっ飛んだ作品で衝撃を受けた。
意外だったのはハロウィン要素や、追いかける側の詳細まで描かれているところ。
だけどいちばんの衝撃はやっぱり、寝泊まりさせてもらった農民とのラスト前30分くらい。
あの緩急のつけ方はなかなか勇気がいる。が、どこにもおかしさのないシーンだった。
し、そのままラストにもっていったのもすごい。
しかもなかなか終わらないラスト。あそこまでクライマックス感だしながら、何回転もして、引っ張り続ける感じ。だからこそ、あのシーンが余計に響いてくるわけで…。
あのあとの膝蹴りがなかったら行き場のない怒りを抱えて眠るところだったよ…。
フィリップは将来、アラスカ行くのかね、行くんだろうね。
静かで美しい作品です。
脱獄犯と人質になった少年のロードムービー。
クリント・イーストウッド監督、ケヴィン・コスナー主演ということで鑑賞しました。やはりケヴィン・コスナー、格好良いですね。
粗暴だが少年への優しさを垣間見せる脱獄囚。生き別れ断絶した父親との絆を感じそれに縋る脱獄囚。そしてそれを純真無垢な瞳で見つめ、感じる少年。
ラストシーン。父親のいるアラスカを思う脱獄囚の姿に、感傷の気持ちを禁じえません。非常に静かで、美しい作品だと思います。
ただ起伏に乏しく二度三度重ねて鑑賞したい作品とは思いませんでした。
とてもよかった
昔レンタルビデオで見たのかな、2回目。里親映画にも見えなくもないのだけど、ケビン・コスナーは養育するつもりはなく、バディものだ。子どもに対するDVに神経を尖らせていたのだけど、殴るのと同列くらいに激しく怒鳴りつけていたのは気になるところだ。子どもと脱獄囚のたたずまいがとても気持ちがいい。しかし、車を盗られる方はたまったものではない。
擬似親子のストックホルム症候群を描いた作品。イーストウッド得意の後...
髪の毛ふさふさのケビン・コスナー
タイトルなし(ネタバレ)
最後10分ぐらい泣きっぱなし
ブッチが最高だし、映画に出てくるうるせえガキが大嫌いなんだけどこの子はそんなことなく良かった
ラストも結局死んでしまうけど、
バッドエンドって訳じゃなく不思議な感覚になる
いい映画だ
パーフェクトワールドなどない。
パーフェクトな世界などどこにもない。という皮肉。
脱獄犯も、
幸せそうな家族も、
笑顔が売りの店も、
新車を買った家族も、
ベッドを貸してくれる親切な黒人も、
FBIや警察も、
どこかいびつ。
完璧な人もコミャニティも存在してなかった。
ブッチももちろん良いヤツではないけど、
それでも子供を殴る親父に説教したり、
宗教で不自由な生活を送ってるフィリップに
自由を与えたり、
子どもの時に親父とロードショーで見た時は
単純な犯罪者と子どもの逃亡ロードムービーと思って
たけど、
大人になって見たら違和感が気持ち悪い、
何だこの世界は!と思う映画だった。
ブッチはフィリップに子どもの頃の自分を重ねたと
思うのだけど、フィリップの家族がエホバとかではなく
ブッチ同様虐待とかされてる設定だと、
もっと二人の絆や別れに感動出来たのにな、
と思いました。
ストックホルム・シンドローム?
宗教上の理由でハロウィンのお菓子をもらうわけにいかないフィリップ。友達もできなさそうな雰囲気の上に人質である・・・だけどブッチの性格が幸いして、凶悪な脱走仲間から守られている。拳銃を購入したところで相棒を殺したブッチ。2人で奇妙なドライブが続く・・・
追っ手の州警察は「完璧な世界なら犯人を捕まえられるのに」「完璧な世界なら犯罪はないわよ」などとのんきな会話が続く。
のんびりしたロードムービーといった雰囲気もあり、犯罪者と少年が仲良くなる様子もなごやかでした。次々と車を奪っての逃亡。黒人の家庭ではとうとうフィリップがブッチを撃ってしまう。そして逃亡も大詰め・・・・
ローラ・ダーンが同時期の『ジュラシック・パーク』に出ていることもあって、最初はあの男の子がそのまま出てるんじゃないかと勘違いしてまいした。よく見ると全然似てない・・・ローラ・ダーンは髪型が一緒。
冒頭、ケビン・コスナーがお面を横に置いて草原で寝そべっているショットが最後にきてしみじみとさせる。
やっぱり丁寧で完成度の高い仕上がり
今見てみると、良い映画とわかる。それは、最近こういう雰囲気の良質な映画を見る機会が少なくなっているから。
今回見直して思ったのはペーパームーンと構成が似ているんだな、という点。というか芯になる部分はまったくいっしょ。
それは置いておいて、やっぱり丁寧で完成度の高い仕上がり。どこか懐かしさを感じさせる風景に心も癒やされる。
あんなに懐かれたら
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