劇場公開日 1997年12月27日

「とてもハートウォームな内容ながら、ラストがチョット残念な終わり方でした」のら猫の日記 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0とてもハートウォームな内容ながら、ラストがチョット残念な終わり方でした

2010年9月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 テレビの深夜放送で見ました。
 11歳の妹マニーと16歳の姉のロー孤児の姉妹が、さすらうロードムービー。
車は盗難車、ガソリンは男の子とセックスで譲り受けるという破天荒な生活を続けていたローは、身ごもってしまいます。
 さすがに困った姉妹が思いついたことは、マタニティ・ショップからの万引き。けれども対象は、商品ではなく、そこで店員として働くエレーンを引っ張ってくることでした。
 訳あって看護士資格を取得できなかったエレーンでしたが、病院で看護士の助手を長く務めていたことから、お産の知識は豊富に持っていました。
 だけど、その知識が徒になって、店では煙たがられていたのです。だから、エレーンが姉妹に万引きされても、誰も探そうとしませんでした。

 こうして人里離れた別荘に監禁されたエレーンと姉妹のおかしな共同生活がはじまります。当初は、監禁の目的を舐められてはいけないと隠していたので、エレーンは必死に脱出を試みます。
 しかし、誘拐の目的が、姉のお産のためだと知ってからは、実の母親のように姉妹に尽くすように変わっていきます。エレーンは熱心なキリスト教徒であり、人に尽くすことを自らの幸せと常々感じていたのでした。

 可笑しいのは、別荘の持ち主が戻ってきたのを、エレーンが襲って監禁してしまうことです。目撃したマニーは、切れやすいローにそのことを内緒にしたものの、持ち主が逃げ出して、かえって怒らすことになってしまいます。「人質が人質を取るなんてどういうこと?」という台詞には、思わず笑ってしまいました。

 このとこで、エレーンを追い出してしまうものの、産気づいたローは仕方なく、エレーンを探し出して、お産を手伝ってもらうことになります。
 ローのお産のシーンは、やはり感激します。

 それからどうなのというところで終わってしまうのが残念なところですが、あばずれ姉妹と、マリアさまのような慈愛の心をもったエレーンとの交情は、印象深いものを感じました。

 キャストでは、スカーレット・ヨハンソンといつてもまだ子役ですが、彼女が出演しているところがポイント。汚れ役の姉に対して、ピュアな感情のままの妹役を好演しています。

流山の小地蔵