「アナがウィリアムに惹かれる過程が早すぎて気分が乗らず」ノッティングヒルの恋人 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
アナがウィリアムに惹かれる過程が早すぎて気分が乗らず
大物女優としてのアナは、普段から世間の好奇心に晒され窮屈な思いをしていた。そんな中で出会ったのが飾らない人柄のウィリアムだった。だからこそ、彼の前では女優としての自分を忘れ、等身大の自分に戻り、気を許すことができた。かっこつけずに済む相手は相性が良いとよく言われるが、アナにとってはウィリアムがそういう存在だったと言える。今作が描きたかったのはそこだと思う。
だとしても、アナがウィリアムに惹かれる過程が早すぎて感情移入できなかった。書店での唐突なキスシーンも意味が分からない。徐々に惹かれるようになった訳でもなければ、一目惚れしたという感じでもない。なんだかよく分からないまま恋愛関係になっている。序盤からそんな感じなので、終始気分が乗らない鑑賞になった。それもあってか、最後の記者会見に遅れて駆けつけるシーンも、感動的な演出にするためにわざとそうした不自然な展開に思えた。
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