「同志諸君!これがマルクス・レーニン主義的に正しいツンデレの姿だ!」ニノチカ Kayo1984さんの映画レビュー(感想・評価)
同志諸君!これがマルクス・レーニン主義的に正しいツンデレの姿だ!
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パリの地で、笑うことも許されない寒い国からやって来たキャリアウーマンをナンパ貴族のレオンが攻略するけれど、ツンドラの凍土のごとくガチガチにハートが凍ったニノチカには全く通用しません。
それでも資本主義社会の面子を背負ったレオンは諦めることなく口説き続けてニノチカの心を開くことに成功します。しかしデレたニノチカは酔うと演説を始めるようなお騒がせ美女なのでした。でも、ソビエト連邦って何?とかいう世代には、もうこのノリは理解できないのかも。
夢の日々が終わり、寒い国に帰ったニノチカを待っていた生活、これが浮かれていた視聴者を突き落とします。エリートのはずのニノチカですら、住まいは男女間のプライバシーもないような粗末な家で、パリで処分できなかったランジェリーがこの地では宝物扱い。面白おかしいロシア女だったニノチカに本当の共感と同情が集まる瞬間ではないでしょうか。
鉄のカーテンに閉ざされて自由のない異国の地に、大好きになってしまった人が囚われているという悲しみを感じ取ってもらえるでしょうか?
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