「3日で盛り上がる恋愛」眺めのいい部屋 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
3日で盛り上がる恋愛
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総合:60点 ( ストーリー:60点|キャスト:70点|演出:65点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )
最初のイタリア編では科白まわしや演技が古くて、しかも映像は風景は美しても赤色が強くて人の肌がのきなみ赤を帯びているし鮮明でもない。そのため1986年の映画だがまるで60年代くらいの古い映画のように感じた。
恋愛映画だが、わずか3日ほどの出会いでそこまで2人が恋愛にはまるのがよくわからない。またその後、広いイギリスでは偶然彼らが近隣に引っ越してきたのだろうか、または仕組んで狙って引っ越してきたのだろうか、本当にイタリア美術が縁での引っ越しなのか気になった。もしただの偶然ならば、その偶然が無ければこの話はイタリア編を最後に二度と出会うこともなく終わっていたということだろうか。
終りの部分でルーシーが男を見極めるための基準をジョージに教えられて知り、婚約者がいる彼女の嘘で自分の望む形に流れを変えていく姿は見せ場。階級社会の英国で身分違いの下品なジョージの父親の姿を見せておきながら、人間性が実は良かったというのは面白かった。
でもそこに辿り着くまでの展開が不満だし、恋愛が盛り上がっている理由がはっきりせず長く感じた。演出が良くなかったのかもしれない。
同じジェームズ・アイボリー監督で同じ原作者のE・M・フォースターの作品で、本作の1年後の1987年公開の『モーリス』があるが、こちらは格調高く質の高い優秀な作品だった。それに比較して全ての項目で水準が下がる。
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