トワイライトゾーン 超次元の体験のレビュー・感想・評価
全2件を表示
次に奇妙な世界の扉を開けてしまうのは、あなたかもしれません…。世にも奇妙な4つの物語が、あなたをトワイライトゾーンへと導きます!
1959年〜1964年にかけて放送されたテレビドラマ『トワイライト・ゾーン』のリメイク。
プロローグと4つの短編から成り立っているオムニバス・ホラー。
segment2の監督/製作を担当するのは『ジョーズ』『E.T.』の、後の大巨匠スティーヴン・スピルバーグ。
segment4の監督を務めるのは『マッドマックス』シリーズの、後の巨匠ジョージ・ミラー。
ティラリラティラリラティラリラティラリラ…デデーン!!
…というテーマ曲があまりに有名になり過ぎてしまい、もはやギャグみたいになってしまった悲運のシリーズ。
日本では『世にも奇妙な物語』が丸パク……、もといオマージュしたことでも知られていますよね。
1959年の誕生から今に至るまで、何度もリメイクされているシリーズですが、劇場用映画はこれ一本のみ。
そんなこともあり、高い知名度とは裏腹にあまり日本では観られていないフランチャイズな気がする。
自分も観たことあるんだかないんだか…。
なんとなく本作のsegment3は観たような記憶があるんだけど…。
全4本の短編は、それぞれ監督が異なっている。
スピルバーグ&ジョージ・ミラーに加え、『グレムリン』のジョー・ダンテ、『スリラー』のPVを撮影したジョン・ランディスという座組み。
ホラーを得意とする4監督だけあって、どの短編も見応えたっぷり。
今見るちょっと古典的過ぎるきらいもあるけど、結構怖くて楽しいのです😆
短編とはいえ4監督それぞれの個性が溢れており、スピルバーグの作品はちゃんとスピルバーグっぽいし、ジョージ・ミラーの作品はちゃんとジョージ・ミラーっぽい。
ジョー・ダンテ作品なんて、まんまジョー・ダンテの露悪的な世界でもうクラクラ…😵💫
個性派の巨匠たちは、やっぱり凄いのです。
どの作品も面白いのだが、一番のお気に入りはジョージ・ミラーが監督したsegment4。
飛行中の飛行機内で起こるドタバタの惨劇。飛行機嫌いな主人公のテンパり演技はリアリティが凄くて、別にモンスターを出さなくても充分に恐ろしいお話だったと思う。
『マッドマックス』でも出てきた目ん玉のドアップ。一説によるとあれはスピルバーグが「マッドマックスのあれやって、あれ!」と要求してきたのだとか…😅
スピルバーグのsegment2は、一作だけホラーではなく感動物語。
正直何故このお話を?と思ったのだけれど、まぁ結構感動したので良しとするか…。
全体のバランスを考えると、スピルバーグもホラーを撮るべきだったと思うのだが、そこは製作の強みでこのエピソードをゴリ押ししたのかも。
問題はジョン・ランディスの監督したsegment1。
映画史に残る悲劇に見舞われた一作。
なんか尻切れとんぼな感じがするのは、クライマックスの撮影前に主演の俳優の方が亡くなったからなのね…。
子供も巻き込まれているし、本当にやり切れない事故だよこれは…。
同じくジョン・ランディス監督が手がけたプロローグ、『スリラー』のPVを思い出すこの一編は凄く好き。
古典的すぎてアホっぽいんだけどちゃんとドッキリできる。ギャグとホラーは紙一重だという事が良くわかる良作。
どのエピソードもとても楽しく観賞出来たし、クオリティも素晴らしい。
ホラー映画ファンなら絶対に満足出来るアンソロジーです〜😱👻
撮影事故の方が怖い映画
アメリカの人気TVシリーズの劇場版、お馴染みのタイトルミュージック、「もし、○○だったら・・」と言った日常の突然の変容をテーマに寓話のような世界を描いています。スピルバーグら4人の気鋭の監督が4篇の短編を受け持っています。
第1話「偏見の恐怖」『TIME OUT』:監督ジョン・ランディス
ユダヤ、黒人、東洋人と差別主義の男が突然差別を受ける羽目になってのた打ち回る、手法は昔話に良くある因果応報のお話、子供たちへの脅しのようでいてトランプに見せたいような大人たちにも耳の痛い話でした。ジョン・ランディス監督はユダヤ人、マイケルジャクソンのMTV:スリラーも手掛けています。
第2話 「真夜中の遊戯」『KICK THE CAN』:監督スティーブン・スピルバーグ
老人ホームのお年寄り、子供の頃に戻りたいと願って、いざ望みがかなってみると心境は複雑、もう一度人生を辿るなって大変と尻込みするお年寄り、意気揚々と飛び出してゆく子供もいて意味深い。スピルバーグ監督はETの翌年に撮っています、童心を忘れない監督らしいですね。
第3話 「こどもの世界」『IT'S A GOOD LIFE』:監督ジョー・ダンテ
魔力を持った子供というのもホラーの定番、我がまま放題だが叱ってくれる人がいないと言うのも淋しいのです、良き教師を得てやがては正義のX・MENに成長するでしょう・・。
ジョー・ダンテ監督は漫画家志望だったらしいからお得意の世界観でしたね。
第4話 「2万フィートの戦慄」『NIGHTMARE AT 20,000 FEET』:監督ジョージ・ミラー
魔物がエンジンを壊している、飛行機恐怖症の男の被害妄想のようでいて壊れたエンジンに残る妙な爪痕、大の大人でも怖いものは有りますよね、といったシンパシーを感じます。怖くて笑えるというのも面白い体験でした。ジョージ・ミラーはマッドマックスで有名なオーストラリアの映画監督さん。
番外、第一話でベトナム戦争のエピソード撮影中にヘリコプターの操縦ミスでコンバットの軍曹役でも有名なビック・モローさんは壊れて飛んできたローターで首を斬られて即死、子役二人も死亡してしまいました。爆破シーンに驚いてパイロットがパニックを起こしたらしい。撮影の安全への配慮不足などで裁判にもなった。結果、一話のこのエピソードはカットされ、差別主義者のビル(ビック・モロー)が収容所行の列車に乗って去ってゆくところで終わりになりました。怪談映画で無残な悲劇が実際に起こったのですから映画以上に怖いです、日本ではこの種の映画は撮影前に安全祈願のお祓いや墓参りをするのが慣例です、ハリウッドでは事故を受けて全米監督協会の通達や違反者の解雇がなされスタジオも安全対策マニュアルを作ったとのことです。
全2件を表示