「彼らのように、強くあれ」トリュフォーの思春期 nagiさんの映画レビュー(感想・評価)
彼らのように、強くあれ
良い映画だった。
大人はなんでもできるが、子供はできない。それは選挙権が認められていないことによって子供の意思が尊重されないのに代表される。今の環境に満足するな、妥協を知るな、愛を知れ、強くあれ、利発であれ、優しい大人になれ...
ニーチェの言葉を借りれば、意志を持て、力を抑えることに力を使うな。禁欲主義的理想への崇拝は"善"の誤解である、ということであろう。
人生とは、愛し愛されるものだ。人は愛なしでは生きることができない。愛への純粋な追求は恥じるべきことではない、むしろ最も人間らしい。
人間は、彼らのような子供の時期が、1番純粋で、好奇心に満ち溢れ、生き生きとしている。我々のような大人も、こうあるべきなのだ。しかし、我々は社会で様々なこと知り、その結果(無意識にも)様々な事柄に束縛されてしまっている。
然るに本来かくあるべきである子供たちを、権利という鎖でその自由を奪うのは、あってはいけないことなのである。今の社会では、大人はもう真に自由に、純粋な理性に従って生きることができなくなってしまった。だからこそ、子供のうちは、彼らのような溌剌さも、尊重すべきなのだろう。
コメントする