砦のガンベルト

劇場公開日:

解説

リチャード・ジェサップの小説を彼自身が脚色、「駅馬車(1965)」のゴードン・ダグラスが監督した西部劇。撮影は「禁じられた家」のハロルド・スタイン、音楽はリース・スティーヴンスが担当した。出演は「ホテル」のロッド・テイラー、「特攻大作戦」のアーネスト・ボーグナイン、「ふたりだけの窓」のジョン・ミルズ、「007/サンダーボール作戦」のルチアナ・パルッツィほか。製作は主演者ロッド・テイラーと、俳優出身のジャック・ジェイスン。

1967年製作/アメリカ
原題または英題:Chuka
配給:パラマウント映画
劇場公開日:1967年12月8日

ストーリー

インディアンが虐待を受けて追いつめられ、白人を仇敵とねらっていた頃。西部の警備にあたっていた騎兵隊が、インディアンの襲撃を受けて全滅した砦を発見した。荒された砦には弾のない民間人の連発銃が1挺落ちていた。1人生き残った酋長ハヌーの話によると、それはチューカ(ロッド・テイラー)のものだという。ハヌーが、はじめてチューカに会ったのは彼の子供が餓死し、その葬式の時だった。拳銃つかいのチューカは、彼らに食物を与えて立ち去った。その後チューカは2人の女、ベロニカ(ルチアナ・パルッツィ)とヘレナの乗っている駅馬車に出会い、砦まで護衛して行った。その夜、砦では、彼らと砦の守備にあたっているバロア大佐(ジョン・ミルズ)、およびその部下の兵士らが食卓を共にしたのだが、大佐は部下の1人1人を口ぎたなくののしるばかり。チューカは大佐の態度を不思議に思い、過去を探ろうとしたが、その時、インディアンの矢が飛び込んできた。このときは、無事インディアンを撃退したが、大佐に見込まれたチューカは、彼の片腕といわれるハーンスバッハ(アーネスト・ボーグナイン)と共に砦で働くことになった。その後、砦では大佐に反目する兵士たちの反乱の企てが発覚し、大佐はその1人を射殺してしまった。夜、大佐の部屋を訪れたチューカはインディアンに食糧を残して砦を明け渡すことをすすめたが意見は対立。しかしチューカは大佐の過去を知ることが出来た。かつてインドに駐頓していた頃、酒で前後不覚になり連隊を全滅させてしまったこと、エジプトでハーンスバッハの生命を救って捕虜になり、去勢されたことなどである。夜明け、インディアンの奇襲があった。矢を受けた大佐は、インドでの自分の行為を、卑怯者のそれではなかっかと、最後まで悩みながら死んでいった。そして彼の部下たちも全員……。チューカも横腹に槍を受けて倒れた。ハヌーを残してインディアンも立ち去った。その後、無数の死体の横たわった砦に、墓がひとつ作られ、十字架にはガンベルトだけがぽつんとかけられてあった。銃は騎兵隊に持っていかれてしまったがハヌーのチューカへの、せめてもの恩返しであった。かつて、食物をもらったことへの。

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映画レビュー

1.5漢気同士のタイマンは見物

2024年10月30日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

単純

興奮

 たまたまテレビで放送されていた西部劇を鑑賞。この時代は多くの西部劇が製作されているのは知っていて、もしかしたら面白い作品が見つかるかもといった興味から本作を観ました。

 ストーリーとしては、流れ者のアウトロー:チャカは、途中飢えに苦しむインディアンの首長に遭遇。時代背景的にインディアンは忌避される存在であったが、チャカは助けと思ってか食べ物を与える。これが後に大きなポイントとなる。話変わって、チャカは放浪の途中で砦に立ち寄る。そこの司令官は暴君的な振舞から直属の部下以外の兵士から嫌われていた。また、この砦は飢えたインディアンから標的にもされていた。チャカは食べ物を与えるよう司令官に進言するが聞き入れられず、逆にガンマンとしての腕を買われ、砦防衛の壮絶な戦いに巻き込まれる・・・てな感じです。

 まあ、観ていて気分が良くなる作品ではないです。

 思いのほか、主人公を含めた主な登場人物の過去が複雑かつ暗いものであり、また司令官の性格がひん曲がっていることこの上なし。ディナーの席で人を罵倒して酒を飲むようなシーンには不快しかない。かといってこれと言ったカバーされる話もなく、みながら不快感がもやもやと残りながらストーリーが進んでいく。苦みにも美味さがある、ではなく苦いままの展開には顔をしかめるほかありません。

 かといって、全部が悪いわけではない。本作の一番の見どころはタイトルにもあるようにタイマンシーンです。

 選手はチャカVS司令官直属の部下で暴君を尊敬する軍曹。この軍曹、彼につき従う理由がちゃんとあったみたいで、また部隊の規律をしっかり守れる男。タイマンの原因はチャカが司令官に対し不敬な発言をしたからだが、それはチャカも砦のこと(それ以外もあるのだが)。なのでこのタイマン、引くことを知らぬ漢の、意地を賭けたタイマンなのです。

 だからこそ、面白い!

 正直唯一の見せ場と言っていいでしょう。そして双方力尽き、引き分けた時、漢同士認め合う友情が芽生えていたのも良。正直このシーンのおかげで後のストーリーも悪くないなと思いながら観てました。

 といっても、やはり全体的には物足りず、というより安っぽさが目立ったのが印象的な本作。もちっと作りこんで欲しかったのですが、タイマンシーンが良かったのが救いです。

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asukari-y

3.0評価低いな?なかなか面白かったけど。登場人物がそれぞれ曲者揃いで、...

2023年10月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

評価低いな?なかなか面白かったけど。登場人物がそれぞれ曲者揃いで、謎に包まれた者も。徐々に明かされていく真実と原住民の奇襲。そしてラストにまた謎。
思うにあれはベロニカの墓で、主人公は若い方をゲット。と思うのだが、どうだろう。

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はむひろみ

4.0こういうの好きだなあ。

2023年3月8日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

期待せずに観たが、ストーリーも見せ方も良かった。
見入ってしまった。

こういうストーリーは何度も見た気がする。
膠着した規則に縛られてる組織を、腕が立ち、義理堅い無法者が、
強敵や大災害から救ったり、または共に命を散らせる話。

酋長も、主人公の無法者から受けた恩を忘れず、最後殺さなかった、
というのもラストとして良かった。

司馬遼太郎の燃えよ剣を想起した。

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藤崎敬太

3.5退却出来ない軍の意地

2023年3月5日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ロッドテイラー扮する早撃ちチャカは、砦を護るためにアメリカ陸軍全員の一致団結を呼びかけた。
やっぱりインディアンは脅威だったんだね。チャカは軍曹と殴り合いをして信頼を得たりもしていたな。でも昔は金をもらって頼まれた殺しをやっていたようだ。それにしても砦を引き払えとアメリカ陸軍にチャカが進言しても退却出来ない軍の意地もあったんだろうね。

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重