囚われの女(1968)のレビュー・感想・評価
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倒錯世界の報酬
60年代のパリ。カウンターカルチャーとしてポップアートや光学的アートを扱った展示会の主宰スタンは、出品者である現代美術家ジルベールの妻ジョゼを気に入り、自らの趣味の世界を紹介する。
なんといっても冒頭のバービー人形を弄繰り回すシーンにてスタンは変態であることもわかるのですが、ジョゼを呼んでも文字アートだったりして本意がわからないまま。しかし、スライドの中の一枚に縄で縛られた女性が映し出されることによって、彼女を徐々に洗脳していく様子がうかがえる。消費芸術の中に埋もれた彼が倒錯の世界に溺れていて、ジョゼと雇ったモデル・マギィとのレズビアン写真を撮ったりするが、ジョゼには直接手を出さないまま・・・
カメラという媒体を使ったり、サブリミナル効果を使ったり、徐々にプライドを剥ぎ取り、羞恥心を快楽へと変えるのだ。夫の浮気のこともあり、自分もフリーラブの世界に没入したいと思うまでになり、ようやく2人はベッドイン・・・しかし、写真を夫に見せたことからジルベールが怒り心頭。勝手すぎ・・・
終盤には自殺論議まで登場するが、意外な展開で愛を確かなものにするお話。線と線にによって生み出される黒い影。そうしたアート的な部分は序盤に多く見られるものの、後半には昏睡状態のイメージとしてしか登場しない。印象に残るのは波が押し寄せる岩場で抱き合う2人。危険な中にあっても、愛を確かめ合う姿には現代アートからかけ離れている気もした。そして踏切内でのリアルな・・・
〈ザ・シネマ 町山氏の解説つきで〉
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