「日米合作の熱気が伝わる戦争スペクタクル」トラ・トラ・トラ! yostakkazさんの映画レビュー(感想・評価)
日米合作の熱気が伝わる戦争スペクタクル
「長門」の艦橋に制服がズラリと並ぶオープニングにごひいきJ・ゴールドスミスの曲が流れると、このトラ・トラ・トラの世界に招かれます。日米の監督がそれぞれの場面を演出していますが、映画の調子に違和感がなく自然なのは一級監督のなせる業なのでしょう。
ハワイの奇襲シーンは、どれも瞬きするのがもったいない位の素晴らしいスペクタクルです(スペクタクルなんて言葉ひさびさです)。特に飛行場への空襲場面は、離陸寸前の米軍機が次々と襲われて駐機に突っ込むわ、その中を米兵が逃げ惑うわと、おそらく今となってはもう撮ることができない必見で鳥肌もののシーンです。CGでは、この本物の迫力は出せないでしょう。
そこに至るまでのドラマも、日米の政治的なやりとりがじわじわ沸騰点に達するまで描かれて緊迫感が切れません。山本五十六長官の山村聡が「眠れる獅子を起したも同然」と水平線を臨むと、燃え上がる真珠湾が浮かび上がる最後まで、1970年当時の日米合作の熱気が伝わってくる戦争スペクタクルドラマです。
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