「二人の歴史に重ね合わせるかのように、人種の垣根も低くなって…」ドライビング・MISS・デイジー KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
二人の歴史に重ね合わせるかのように、人種の垣根も低くなって…
少し前に、同じように米国史を駆け抜けた
かのような作品
「フォレスト・ガンプ/一期一会」を観て、
同じような意味合いの作品かと思い
1990年のロードショーとTVでの鑑賞も含め
3度目鑑賞をしたが、
こちらの方の背景は「フォレスト…」よりも
少し前の時代のようだ。
この作品もアカデミー作品賞受賞作だが、
同じ作品賞受賞の「フォレスト…」よりは
時代的に身近ではなかった分だけ、
私には少しハンディがあったかも知れない。
さて、作品の冒頭では、
家庭でも職場においても、
支配者は白人、使われるのは黒人であるとの
あからさまな状況が描かれ、
他にも、キリスト教とユダヤ教、
富める者と貧しき者、
等々が対立項目として描かれると共に、
老いの問題も描かれた。
そんな中で、飄々と現実を甘んじて
受け入れているようで、
でも言うべき時は言うという
ホーリーのフラットな感覚が
周囲の状況を変えていくように、
社会的にも、キング牧師の演説に向かって
徐々に人種の垣根が低くなっていく様子
も描かれた。
しかし、そんな時代的な観点というよりも、
二人の心の交流をしっとりと描いた作品
のように思える。
また、ホーク役のモーガン・フリーマンの
“ンッ・フッフッフ”の忍笑いは、
彼の地では無く、演技なのだろうが、
ホークの控えめな生き様と
リンクしているようで、妙に印象的だった。
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NOBUさんのコメント
2023年3月18日
今晩は。いつもありがとうございます。
私は今作の意義は、1990年公開作でありながら人種、宗教の壁を乗り越えるホークとデイジーの姿を描いた事だと思います。
モーガン・フリーマンの凄さを世に知らしめたヒューマンドラマ作品としても、一級品だと思います。では。返信は不要ですよ。