「嵯峨の結末」隣の女 あま・おとさんの映画レビュー(感想・評価)
嵯峨の結末
あなたたち勝手にやってよね、と言いたくなるような内容。なのに、なぜか最後まで面白い…。
健康的で当たり前の日常。家族と堅実な仕事に支えられた穏やかな暮らし。そして地域のコミュニティ。しかし、眠りから目覚めたドロドロが浸食していく。相容れない質のもの同士が視覚的にリアル感をもって絡み合っていく様は興味をそそる。
真っ白い布に黒い糸が織り込まれる。よいとも悪いとも言いようがない。これはサガなのだ、と思わされる。真っ直ぐな白い布に仕上げようと頑張っても黒い糸は裏側にまわるだけで、やがては全体を侵食し始める。
抵抗できない自分を悟った時、女は心を決める。それぞれが離婚し二人が一緒になれば良いという類のものではないのだから、もうどうしようもない。
男は、道連れにされても仕方ないと思う。
でも、トーマは可哀想かな…。
マチルドは、いやらしくて嫌い。しかし気になる。どこか惹かれもする。この女優さんの演技が上手なんだろう、と思う。
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