「多大な犠牲の元に独立を勝ち取ったとの想いは解るが…」遠い夜明け KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
多大な犠牲の元に独立を勝ち取ったとの想いは解るが…
随分と久しぶりになったが、
ビコが半分も経過しない中で
亡くなってしまうことなども
すっかり忘れていた中での再鑑賞となった。
また、少し前に「ソフィーの選択」を
観たばかりのだったので、
そこでのケビン・クラインとの比較も
楽しみだったが、
まるで印象の異なる演技には驚かされた。
また、アッテンボロー監督の
「素晴らしき戦争」「遠すぎた橋」「ガンジー」等
の大作感溢れる作風はここでも生きていて、
特に前半の緊迫感溢れる描写に、
作品の世界にゆったり浸ることが出来た。
ただ、終盤の逃走劇は、
地理的な浅識もあってか、
臨場感不足になってしまい、
結果、少し冗長に感じてしまったのは、
私にはマイナスの構成だった。
そして、エンディングシーン、
独立のための、
数多くの黒人指導者や住民の犠牲の元に
植民地支配的国家を勝ち得たとの描写である
ことは理解するが、
一方で、ビコが夢見て、マンデラが実現した
人種融合の国家を
勝ち得たことでもあるのだから、
その人種融合へ繋がるエピローグで
締めた方が、
よりテーマに沿ったエンディングになった
ような気はした。
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