劇場公開日 1955年3月7日

「慰霊塔としての映画」鉄路の斗い komasaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5慰霊塔としての映画

2024年10月6日
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鑑賞方法:VOD

ドイツ占領下のフランスでの鉄道員たちの抵抗活動を描いた映画。フランス映画総同盟とフランス国鉄の抵抗委員会が共同で企画・製作、実際の鉄道員たちが多く出演し、フランスでは終戦から間もない1946年に公開されたとの事。

そういった背景もあるのだろうか。本人達が当たり前のように機関車を動かし線路工事をする。全てにおいて違和感がない。

戦車を載せた貨車が次々と脱線し飛び出していくシーンも、機関車や戦車含めて全て実物のようで生々しい迫力がある。

内容としては、後半に老機関士が口にする「出来る事をやるしかない」という一言が全てを表していると思う。自らの使命感の下、各々が鉄道員ならではの方法でドイツ軍へサボタージュを行っていく。

実際には身内からの密告等、一枚岩ではなかったと思う。だが理由を必要とせず自発的にあちこちで行われるサボタージュは、フランス人の反骨精神の凄まじさをよく物語っている。

komasa