鉄格子の彼方のレビュー・感想・評価
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誰もが幸せを求める…
ルネ・クレマン監督 1949/仏・伊
戦後間もないジェノバの街、愛らしい少女。エキゾチックな雰囲気が楽しい。
登場する美男美女。ふたりとも訳アリで一緒に幸せになるのは困難だった。それでも人間は、癒しや希望がある方を向こうとする。そういう特性があるし、権利もある。戸惑いつつも、束の間、幸せになることを試みる彼らの姿は美しい。
娘は母が思っていたより大人だった。「気をつけて、ピエール」のメッセージ。ピエールを受け入れる心の準備を整えた。
隣人やレストランの主、そして歯医者もそうだが、他人の幸せに心を配る温もりがイタリアらしくよい感じだった。
が、当のピエール…カッコよくセリフもキマっているのだが、優柔不断に思えるし、犯罪を犯した理由もいまひとつ。カッコよさとの釣り合いがとれていないようで、役としてストンとこない面が残念だった。
ジェノヴァ
1949年公開の仏/伊映画
殺人を犯したフランス人ピエール(ギャバン)と
イタリア女性マルタ(ミランダ)の出会いを描いたもので
港湾都市ジェノヴァが舞台
イタリアでの公開名はマラパガの壁
マルタとその娘は瓦礫のような建物で暮らしている
戦争の傷跡だろうか
そしてここは城塞都市で坂や階段の街でもあった
ロケーションが興味をひく
ドキュメンタリー映像を観ているよう
イサ・ミランダという女優さんを知らなかったが
最近「マロンブラ」というちょっと独特な映画を観て興味を持った
反発する娘の気持ちも慮っているような
大人ふたりの愛情の話でもあるので、しんみり
都市の中に出来てしまった貧困地域で育つ娘は
勘も鋭く小動物のように敏捷
この地域専門らしい歯医者はピエールに同情し
無償でサービスしてくれる
当時のジェノヴァ人の人生と気質というものも
描かれているような
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