テシス 次に私が殺される
劇場公開日:1997年7月19日
解説
実録殺人ビデオ製作に絡む事件に巻き込まれた女子学生の恐怖を描いたサスペンス。監督・脚本は若冠23歳で現役大学生でもある新人のアレハンドロ・アメナバールで、本作がデビュー作。製作は「森は生きている」など監督として知られるホセ・ルイス・クエルダで、アメナバールはじめ若手のスタッフを結集。製作総指揮はエミリアーノ・オテギ・ピエドラ、撮影はハンス・バーマン、音楽はマリアーノ・マリン、美術はヴォルフガング・バーマン、編集はマリア・エレーナ・セインツ・デ・ロサス、録音はゴールドステイン&ステインベルグ。主演は「ミツバチのささやき」の子役で知られる「血と砂」のアナ・トレントで、31歳を迎えた彼女の熱演が見もの。
1996年製作/125分/スペイン
原題または英題:Tesis
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
劇場公開日:1997年7月19日
ストーリー
アンヘラ(アナ・トレント)は情報コミュニケーション大学で、“映像における暴力”のテーマで卒業論文を準備している女子学生。調査のため暴力的な映像を見たいという彼女に、指導教授のフィゲロア教授(ミゲル・ピカソ)はしぶしぶながら、残酷ビデオマニアでコレクターのチェマ(フェレ・マルティネス)を紹介するが、お目当てのものはなかなか見つからない。そんな折り。教授が学校のビデオ図書館から借りたビデオを鑑賞中、心臓発作で死ぬ。アンヘラはこっそり現場からビデオを持ち去る。意を決してチェマと一緒に中味を見ると、若い娘が惨殺され、死体がバラバラにされる様が映っていた。チェマは、ビデオの娘は数年前行方不明になった同級生で、さらに使用されたカメラは大学が以前購入した機種のものだと指摘する。直後。キャンパスで問題のカメラを持った青年がアンヘラを追いかけてくる。青年はボスコ(エドワルド・ノリエガ)と名乗り、行方不明になった娘とは友人だと語り、協力を申し出る。アンヘラはハンサムな彼にひかれ、チェマは嫉妬する。彼女はチェマとボスコが昔親友だったと知って、チェマに疑惑を向ける。フィゲロア教授の後任カストロ教授(ハヴィエル・ノリエガ)がアンヘラを呼びだし、問題のビデオを返すように迫る。身の危険を感じるアンヘラだが、チェマのおかげで難を逃れた。二人は学校の奥のビデオ庫の奥に潜入、件のビデオのマスターを発見するが閉じ込められてしまう。翌朝。椅子に縛りつけられたアンヘラにカストロが迫る。彼は学校を隠れみのに殺人ビデオを製作していたのだ。そこへチェマが現れ、カストロと格闘の末、彼を殺してしまった。チェマは警察へ出頭するのを拒否したが、アンヘラの説得で承知した。が、アンヘラは彼の部屋で自分を盗み撮りしたビデオを見つけてしまう。アンヘラはボスコと惹かれ合うようになるが、ボスコのガールフレンドのヨランダが殺意もあらわにつきまとう。郊外。ボスコの両親の別荘を訪ねるアンヘラ。そこへチェマが現れ、ボスコにつかまりながらもアンヘラに「だまされるな。ガレージに行ってみろ」と叫ぶ。アンヘラはガレージに駆けつける。そこはあの殺人ビデオの撮影場所だった。戸棚にはヨランダの死体が。気絶させられたアンヘラに、チェーンソーを手にしたボスコが迫る。彼女を救ったのはチェマだった。ボスコはチェーンソーに切り裂かれて死んだ。事件の報道がスキャンダラスに流れる中、けがをして入院中のチェマをアンヘラは見舞う。二人はようやく、お互い素直に好きになれそうだ。
スタッフ・キャスト
- 脚本
- アレハンドロ・アメナーバル
- エグゼクティブプロデューサー
- エミリアーノ・オテギ・ピエドラ
- 製作
- ホセ・ルイス・クエルダ
- 撮影
- ハンス・ブルマン
- 美術
- ボルフガング・バーマン
- 音楽
- マリアーノ・マリン
- 録音
- ゴールドスタイン&スタインバーグ
- 編集
- マリア・エレーナ・セインツ・デ・ロサス
- 字幕
- 伊藤美穂