「そして二人はいつまでも幸せに……。」ティファニーで朝食を 猿田猿太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
そして二人はいつまでも幸せに……。
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果たして、二人はいつまでも幸せに暮らすことが出来たのでしょうか。白雪姫やシンデレラなどで知られる結末はやはりありえないのか。
唐突にエンディングについてですが――奔放に生きる主人公に対して、その彼女に対して「自分のものになれ」と訴える男。しかし、「人は誰の物にもならない」と彼女は言う。私はその通りだと思います。この世で自分のものになる物など何一つない、消しゴム一個でも何時までもこの手にあるはずが無い、それが真理という物。
しかし、彼女はお菓子のオマケの指輪を受け取って雨の中を飛び出していくのだけど、ここで直接、男の胸に飛び込まないのが凄く良かった。捨てた猫を探す彼女の姿は心の変化を表しているのかも知れない。難しいことは判らないけど。
そして抱き合う男と女。だけど、それが何時までも続くものか、と思ってしまう。だけど、いいじゃないか。彼女は捨てた猫をまた探し当てたじゃないか。どうなろうとも、きっと悪いことにはなりはしないだろう――。私はこれをトゥルーエンドであり、ハッピーエンドであると思います。
今回、手近の映画館で上映されたリマスター盤を鑑賞したのですが、古さが故に「映画を観た」感が素晴らしかった。男も女も煙草をくわえ、気楽にポイ捨てする姿はやっぱり時代だなぁ。あー、マスク無しで歩いてみたい。
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