「クチュリエ と メゾン」偽れる装い jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5クチュリエ と メゾン

2024年4月5日
Androidアプリから投稿

イマジネーションを湧かせるために
ミューズが必要なデザイナーのフィリップは
洋服が完成すると彼女たちをポイ捨てする

そして新しいミューズを物色
仕事仲間の結婚間近の彼女だって構わない

この映画の衣装担当は初代ロシャス(ROCHAS)
香水と映画部門も有名だったらしい

しかし、寝る間も惜しんで働いていた彼は
特別魅力的なミシュリーヌに出会って覚醒めたのだろうか?

だが彼女から別れを告げられ茫然自失

ミシュリーヌを演じるミシュリーヌ・プレールが
何となくイメージするフランス美女みたいで、可愛かった

フィリップの部屋のマネキンの表情が
微妙に変化しているような……

女性は「馬子にも衣装」という言葉を実感していて
美の追求が 錯覚や偽りの世界を構築することでもあるのを
知っている

フランスのクチュリエというものは
取り憑かれたように美を追求してしまう特質があり
君臨しているメゾンを捨て去ることはできないし
女はミューズの時しか愛せない
という、あんまりだが
そんな宿命と自負についての物語だろうか

jarinkochie