劇場公開日 1989年10月28日

沈黙の官能のレビュー・感想・評価

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4.0美女をまったり鑑賞する映画だが…

2021年8月13日
Androidアプリから投稿

パン屋と金貸しで ひと財産築いたフェルラモンティの親父(クイン)を子供達は嫌い
でも将来それを受け継ぐことは うっすら期待

そんな子供達を親父も嫌い

次男に嫁いだイレーネ(サンダ)が美女で才覚もあったのだが、次第にその正体を現してゆく… という話で
映画はサンダの美しさを見せながら
まったりと進む

彼女に本気になった長男が
「だんだん醜くなってゆく… 」と言っていたが
親父も息子達も この大理石の彫像のような美女を手放すことも、心底憎むことも出来ない
(イタリア人ならではか?)

だんだん垢抜けて衣装も豪華になってゆくので
観賞者の私も堪能
1880年代のものらしい調度品も興味深かった

顔や姿は聖母だが、中身は親父に近いか それ以上みたいで
金儲けや財産狙いというものは ひとつ成功すると
だんだんエスカレートしてゆくものなのかな… と思いました

結局、財産はイタリア統一後
北部から来た官僚と結婚した妹の元へ

「あんなくだらない人たち」というのは
ローマ育ちの親父と美女の一致した意見ですね

ここにはゲットーがあったから
ローマのユダヤという話でもあるのだろうか
街並みもそんな風情

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jarinkochie

3.0ドミニク・サンダの悪女振りを愛でる映画

2021年1月8日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

主演がドミニク・サンダ、義父役にアンソニー・クィンのマウロ・ボロニー二監督作品。秀作「わが青春のフロレンス」と同じく19世紀を舞台にした時代物で、サンダの悪女役を観るための映画。
財産目当ての主人公が、富豪の次男の妻に収まり長男、父親と騙していく。だが、最後は長女に取られてしまう不幸な悪女をサンダが演じて、カンヌ映画祭主演女優賞を得ている。熱演でも演技派でもないサンダの妖しげな存在感が異色の役柄を演じ切った点を評価されたのだろう。
だが、脚本が良くない。父親が三人の子供たちに愛情を何故注がないのかの理由が説明されていないため、その後に繰り広げられる家族の愛憎劇が場当たり的に展開する。予測できない面白さはあるが、人物の掘り下げにはならないので、最終的に主人公に感情移入できない。アンソニー・クィンの父親がサンダの親身な世話を受けて次第に心を開き愛情を抱くところも、この映画の大事な部分であるが、描き切れていないので盛り上がりもなく終わってしまった。

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Gustav