タンゴ・レッスンのレビュー・感想・評価
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踊りたい
大昔だけど、ちょっとだけタンゴをかじった僕。この映画、久々にアツくなりましたね。
また習いたい!
タンゴは男女の駆け引きが大胆なので面白いんです。
夢中になってタンゴにのめり込むサリー。でもイケメンのパブロは稽古をつけてやる程度にしか思っていなかったんだな。
こんなに踊ることが好きなのに素養のなさを突き付けられてパートナー解消されるって、悲しいよね。傷つくよね。
でもこれがプロの世界の掟というものなのだ。
身勝手けっこう。足をひっぱる存在とは決別して更なる高みのパートナーを見つけなければ芸術家は身を亡ぼす。
オーディションを題材にした映画はいろいろある。
しのぎを削るトップ争いのなかでふるい落とされてゆくダンサーの悲哀は、多くの作品になっているしなあ。
結局、サリーとパブロが甘いラブストーリーに落ち着かなかったところが、この映画がまがい物でなかったことの証かもしれない。
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タンゴつながりでオススメは
「ラスト・タンゴ」。
50年も一緒に舞台を踏みつつも別離れて生きるアルゼンチン伝説のペア、マリアとファンのドキュメンタリー。
あんなにも情炎を絡ませ体を密着させて踊るタンゴが、強く相手を惹き付けた次の瞬間その相手を突き放す。悲しいかなこんなにも遠い男と女のディスタンスをタンゴは踊るのだ。
それを魅せてくれる、この2本だ。
踊ることは生きること…
こういうタイプの映画がとても好きです。感覚的で、官能的で、芸術的。
モノクロームで描かれた本編の中で、彼女の頭の中のイメージだけが、鮮烈なカラーで描かれ、映画監督、サリー・ポッターを位置づけ、顕示する。
狂おしくも心揺さぶる、タンゴの曲の数々。全編に散りばめられたダンスシーン。
愛と人生をタンゴに捧げることで、自らのアイデンティティを表現した作品。極上のタンゴダンスに酔いしれました。
こういう作品に出会えるから、映画はやめられない…
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