「物語の粗さと描写不足はあるけどそれなり」ダブル・ジョパディー Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
物語の粗さと描写不足はあるけどそれなり
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総合:70点 ( ストーリー:60点|キャスト:70点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
アシュレイ・ジャッド演じる妻リジーは刑務所暮らしも良い囚人たちに恵まれて上手くやっていけるし協力もしてもらえる。船からあっさりと逃亡できるし、か弱い女1人で男を相手に立ち回れるし、殺されることなく棺桶から脱出出来るし、死んだはずの夫が生き返って普通に息子は受け入れて暮らしているし、物語の都合の良さがいくつか目についた。
よくわからないのが、夫はリジーに濡れ衣を着せて刑務所暮らしをさせたからといって保険金をどうやって手に入れたのだろうか。保険金は妻が受取人になっていたと思うのだが、殺人犯だから妻が受け取れなくなったのは当然として、どうして死んだ夫にその金が渡ったのかよくわからなかった。子供が相続人となってその金を夫が使っているということだろうか。
囚人たちとはどうやって仲良くなって協力してくれたのかとの描写はもっと欲しい。その後はどうなったのだろうか。夫はいつの間にか犯罪を実行して済ませているので狡さと怖さが伝わってきにくく、どんなに悪いやつなのかという描写もいくつか欲しい。
そのようないくつかの物語の粗があっても、あまり気にしなければそれなりに楽しめた。どうやって圧倒的に不利な立場のリジーが刑務所から夫を追い詰めていくのか、その展開に面白さがあった。
しかしこれだけ機転が利いて粘り強く頑張って活躍するリジーは、事件が起きるまでこれほどの酷い夫の本性をさっぱり見抜けなかったのは、なんとも情けないというか可哀そうというか。
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