「ゼメキス監督の伝説的な長編デビュー作」抱きしめたい 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)
ゼメキス監督の伝説的な長編デビュー作
ロバート・ゼメキス監督の長編デビュー作。'64年に米国が体験したカルチャーショック「ビートルズ襲来」を、持ち前の熱量とバイタリティで爽やかなエンタテインメントとして昇華している。彼とボブ・ゲイルは「1941」の脚本家として起用された折にスピルバーグにこの企画を持ち込み、「いいね!」と気に入った彼自らが制作総指揮を買って出てくれたとか。面白いのは、ゼメキス作品の定番でもある「群集」や「車」をキーファクターとする構造が、この時点ですでに確立されていること。そして何より神がかり的なのは、最高潮に達するTV収録の場面だろう。ここではステージ上を直接は映さず、巧い具合にモニター越しに(当時の)TV映像をアナログで重ねて提示する。のちの「フォレスト・ガンプ」における歴史映像と実写とのデジタルな融合を知る我々にとってみれば「これぞ原点!」と言うべき画期的な試み。未見の方はぜひチェックしてほしい名場面だ。
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