「神を探しつつ死を迎える十字軍の騎士」第七の封印 あまおとさんの映画レビュー(感想・評価)
神を探しつつ死を迎える十字軍の騎士
クリックして本文を読む
イングマール・ベルイマン監督作品 /1953/スウェーデン 時代背景が中世で珍しい。十字軍や悪魔信仰者の火刑、黒死病など。ベルイマンの中では比較的わかりやすい内容かと思う。
疫病も神の怒りと恐れた時代。しかし神は見えない。神を確信できないことで、死が近いアントニウスは苦しむ。死神に尋ねても「そんなものはない」と答えるだけだ。
旅芸人のヨフは神の秘密を知る力を持っていた。彼はそれを妻にだけ漏らす。彼は、家族を愛し、素朴な旅芸人の生活を愛しているだけだった。この一家とアントニウスの出会いは奇跡だ。(もっとも出会いはいつも奇跡的だが)彼は、この一家から新鮮なインパクトを受けた。しかし接点は束の間で、分岐を迎える。と同時に彼にタイムリミットが訪れる。
死神が実力行使するとき…。それは人が、もう自分自身を変える力を持たなくなったときなのかもしれない、と思う。そのとき生きる意味をなくし、出会いも無益となる。
この死神がいい。怖い?イケメン?年寄?絶妙だ。「死には黒が似合う」と言ってみたり、ノコギリをギコギコする。地味にお茶目だ。これなら死もたいして怖くないかも…。
コメントする