「あの船で、人々がどんな想いを抱えていたのか」タイタニック(1997) shinさんの映画レビュー(感想・評価)
あの船で、人々がどんな想いを抱えていたのか
■ あらすじ
豪華客船タイタニック号で出会ったローズとジャック。
身分の違いを越えて惹かれ合う二人の短い時間と、
その裏で静かに迫っていた船の悲劇。
夜の海で訪れる“あの瞬間”までの、人々の運命を追う物語。
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■ 感想
観終わってまず、「すごいな…」って率直に思った。
フィクション的な部分もあるんだろうけど、実際の事故として見ると、
あの夜、船にいた人たちの不安や恐怖って
どれほどだったんだろう、とか
何も知らされないまま過ごす時間の重さとか、
いろいろ考えてしまった。
ローズとジャックのロマンチックな場面はやっぱり良くて、
身分の違いを越えて惹かれ合う感じがまっすぐで、
終盤の“生きるか死ぬか”の瞬間まで
愛がちゃんと寄り添っているように見えて、
あれは本物だったんだろうな、と素直に思えた。
そして今回は、その二人とは別に、
音楽家たちの存在がふと心に引っかかった。
最後まで演奏をやめなかった人たちの覚悟みたいなものが、
静かに胸に残る。
歴史の悲しさとラブストーリーを
こんなふうにきれいにつなげる映画ってあまりなくて、
豪華客船の華やかさがそのまま悲劇の影を濃くしていくような感じが、
なんとも言えず切なかった。
最高の旅になるはずだったのに、
あの夜を境に“最後の旅”になってしまった人たちを思うと、
胸の奥がざわっとする。
でも観終わったあと、不思議と満足感があって。
久しぶりに観たはずなのに内容をほとんど忘れていたぶん、
もう一度 “名作” と向き合えた気がした。
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