劇場公開日 1963年8月3日

「ワァオ!」大脱走 ストレンジラヴ氏さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ワァオ!

2023年6月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

怖い

興奮

"Good Luck"
"Thank You"

午前十時の映画祭にて鑑賞。
以前中途半端にTVで観てしまい、なまじっか展開を知っていたためにちゃんと観ていなかった1作。
最初から最後まで通しで観た感想は"Splendid"
まさかここまで一分の隙もない作品だったとは。
男の子のやりたいことを、図体が大きくなった子供達が命懸けでやりました、そんな作品で、これを持ってこられて男子がつまらんわけがない。
「で、今いつなんだよ?」と思ったところでアメリカ独立記念日を収容所で祝うくだりが入ってくるから、そこでスケジュールもちゃんと整理される。
何より冒険活劇のクセして心理描写が見事なんだわ。
トンネル掘りすぎて閉所恐怖症になったり、収容所で気落ちして錯乱したり。
V・E・フランクル「夜と霧」だったと思う、アウシュヴィッツのユダヤ人はクリスマスが明けると死亡率が上がったという。彼らは「クリスマスまでには戦争は終わり自分たちは解放される」と信じ、そしてクリスマス後も続く戦争を前に亡くなっていったそうだ。
これと同じで、収容所の捕虜たちにとっては脱走そのものが生き甲斐だったに違いない。
フラグの回収もしっかりと行なっていて、「そりゃ名作になるわけだ」と納得しました。だって鉄則を忠実なまでに守っているもん。

にしても、これだけオールスターキャストの中でのスティーヴ・マックイーンの圧倒的なオーラ。もしかしたら"スター"という言葉は彼のためにあるのかもしれない。サッカーで言えばマラドーナ、野球で言えば長嶋茂雄…生まれながらの何かを持っている。

ストレンジラヴ