「知った気になっていると後悔する映画」第三の男 とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)
知った気になっていると後悔する映画
評価の高い映画です。有名です。でも解説読んで知った気になっていると、本当の魅力は味わえないかも。
ミステリーとしては「へっ?」というところ満載。なのに、どんどん惹き込まれる。
本当は重い現実をベースにした物語。
なのに、恵比寿駅で流れている、あの軽妙なテーマ。
平坦な画面、斜めの画面、端の切れた画面が入り乱れ、妙に押しつかなくさせられ、前半は素人が撮ったもののような不思議な違和感がじわじわと…。
それが…。
闇夜に浮かぶ…。
悪戯っ子のようなウェルズの表情。
有名な観覧車の場面。
地下水道の場面。
ラストの場面…。
やっぱり批評を読むことと、自分が味わうこととは違う。
平板とも思える前半。
巨悪。
友情と人としての道義と、恋心…。
何をどう選択するのかの生き様が入り混じる後半。
ラスト。女心は複雑です。ハリーへの愛を貫いた?う~ん、そうかな?元彼を殺した愛する人の胸には簡単には飛び込めないよね。愛していればなおさら。そんな葛藤抱えて、愛する人に声かけたら自分が崩れちゃう、だとしたら無視するしかないよね。自分を保つためにも。
なんて、彼女の気持ちをいろいろと妄想してしまいました。
女は複雑。
そんな人の心の機微を丁寧に描き出した物語です。
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