「被害者の人権は誰が?」ダーティハリー4 parsifalさんの映画レビュー(感想・評価)
被害者の人権は誰が?
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姉妹がパーティに誘われて行ったところ、グループに回されてしまい、妹が廃人に。画家をしている姉が復讐するため、犯人グループのメンバーを一人一人殺して行く連続殺人事件が発生。やりすぎの捜査で上司から煙たがれていたハリー・キャラハンがサン・パウロに出向したところ、殺人事件とその姉と出くわし、事件解決に乗り出すストーリ―。
イーストウッドの反権力、暴力の連鎖の悲劇性、正義の名を語った暴力の否定を描いた作品群を知ってしまうと、単純には楽しめない「ダーティ・ハリー」シリーズ。次から次へと事件や銃撃が起こり、深く考えずに、相手を倒すのアクションを爽快に感じるのなら良い作品かと。
上司との軋轢、刑を免れた悪漢との戦い、西部劇ともとれる相手との銃撃シーン、逃走する相手を足や車で追跡するチェイス、オートマグを手にするシーン、最後の敵2人に対峙するシーン等、カッコいい。
ただ、イーストウッドは、単純に正義の側が悪を倒す映画に、もう限界を感じていたはず。彼の信条に反するはず。どの人間の中にも悪があるという視点がよりメインになってきているだけに、最後は姉を警察に突き出すことをしなかったのだろう。
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