ゾラの生涯のレビュー・感想・評価
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エミール・ゾラの正義と自由の精神の啓蒙映画
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1894年のフランスで起きた軍内部の冤罪ドレフュス事件をモチーフに、作家エミール・ゾラの正義と自由の精神と、その姿勢を法廷劇として謳い上げた啓蒙思想明確なるハリウッド映画。アカデミー賞で評価されるに相応しき内容だ。あくまでフィクションのドラマ化であり、実在のゾラの作家探索ではないようだが、小説「ナナ」の誕生秘話に触れるエピソードや印象派画家の先駆者ポール・セザンヌとの友情など興味深く見ることが出来た。作家として名声と地位を得た50代半ばのゾラが、当初ドレフュス事件に何の関心も示さなかったのに、セザンヌとの友情を顧みることで社会と軍部に立ち向かう創作は、ストレート過ぎるが納得できる流れにはなっている。
ポール・ムニの風格ある演技、裁判でゾラを弁護するラボリ役のドナルド・クリスプの安定した演技。当時57歳のクリスプ、4年後の「わが谷は緑なりき」の役と比較しても随分若々しい。ウィリアム・ディターレ監督の落ち着いた演出は、ヨーロッパ映画の暗いムードを持っている。
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