「イーサンは戦争が終わった後、何をしていたのか?」捜索者 タンバラライさんの映画レビュー(感想・評価)
イーサンは戦争が終わった後、何をしていたのか?
インディアン狩りをしていたのだよ。いや彼は戦争が終わったこと知らなかった。途中で脱走兵になってインディアン殺しをしていたのである。それでインディアンたちから恨みを持たれて追われていた。
彼はそれを知っていたし、牛が盗まれたのも罠だと分かっていた。だから牛が殺されてるのを見たときに行動が落ち着いていた。
インディアンたちの人数が多いことを知っていたので牛泥棒追いかけるフリをして逃げたんですよ。それに脱走兵は死刑では?・・・彼が脱走兵 であることを知った家族をインディアンに殺させて口封じをしたのですよ。 一石二鳥
インディアンの若者は彼のことを知っていたし彼はインディアンの若者を知っていた。お互いに憎しみに満ちた目をしていた。インディアンの若者が英語を話すのを見て、インディアにさらわれた娘が英語を教えたのだとわかったのですよ。彼女がインディアン語と英語と両方 話せるようになってるってね。彼女は彼がしてきた虐殺をインディアンから聞いて知っているとね。
だから彼女を殺そうとしたのだよ。
しかし人殺しがバレて死刑を免れないと知った彼は彼女を助けることにした・・・。
これはそういう物語だ。
ジョン・ウェインのイメージに惑わされてはいけない。
なぜ彼はあれほどまでにインディアンに詳しいのか?・・・何年間も殺し続けてきたからだ。なぜ一行は奇襲を受けなかったのか?・・・彼らのターゲットはイーサン1人だったからだ。なぜ成長したルーシーをさらったのか?・・・イーサンと交換するためだ。彼はそれを全て知っていたのだ。探偵のいないミステリーなのだよ、この映画は。
イーサン・・この男は差別主義者でいつも威張ってる野郎で臆病者で卑怯ものだ。
・・・コマンチが憎くて憎くてたまらない・・・1人の愚かな男の物語なのだ。そしてこの男のような人間として これ以下はない 最低の人間の中にも良心というものは生きている・・・ということを描いた映画だ。
この時代の彼のような人間がすでに時代遅れのように描かれているがそれが真実だったのかどうか今を生きる私には知るすべもない。
しかし アメリカに暮らす 白人たちのために一言付け加えておこうと思う。
コンドームという素晴らしいものがこの世に出現する前、赤ん坊はどうしても生まれてきてしまう。 たくさんの子供が生まれて人が増えてしまう・・・だからどうしてもよその国を侵略しなきゃいけなくなる。 それは狼だって同じだ。 イーサンのインディアンに対する憎しみは本能から生まれたものであり、この時代はこれで仕方がなかったのかもしれない。