セントラル・ステーションのレビュー・感想・評価
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文盲率
大酒飲みで暴力亭主。そんな夫でも戻ってきて欲しいと願う手紙を、最初は無視するドーラだったが、同室の女性イレーニがなぜだか気になってすぐに出せと頼む。2度目。再び頼まれるても、人生相談は受けつけない。暴力を食らってしまうのがオチだと考えたドーラ。少年ジョズエは鋭い感性を持っていた。ドーラが手紙を破り捨てるのではないかと思ったのだ。
それにしても、文盲率がかなり高くないと代書業なんてできない・・・これがブラジルなのか。殺人事件も日常茶飯事。殺伐とした巨大な駅構内でようやくドーラは親切心を見せたかと思われた。しかし、彼女はジョズエを里親紹介所に売り飛ばしたのだ。かなり悪人のドーラ。鬼のように見えた。しかしイレーニが「あれは里親紹介じゃなくて臓器を売りさばく売人だ」と言って、心が変わる。
金もバスの中に忘れてしまって、ヒッチハイクでジョズエの父親の住所へ向かう2人。ジョズエが万引きしたのを叱咤するドーラだったが、自分ももっと万引きして、ジョズエには「買った」と嘘をつく。嘘吐きだけは治らないドーラだ・・・
最初のヒッチハイクで仲良くなったトラック運転手。万引きをかばってくれたのに、ドーラに迫られて逃げてしまう・・・ちょっと笑った。やがて探り当てた家は引っ越した跡。新住所を頼りに父親の家に辿りつくがそこも出ていった跡。しかし、ジョズエの兄にあたる二人が登場して・・・優しい兄。ブラジルでもリオのような都会ではなく、優しい人々の住む小さな町。父が残した手紙を読むドーラはまた嘘をつくが、今度はいい嘘。「父は戻ってくる」と信じた兄と同様、ジョズエもドーラも父を信じるようになる・・・2人の兄に囲まれて眠るジョズエとこっそりとリオに戻るドーラには温かな血が戻ってきたようだ。悪い奴らには気をつけてくれと願わずにはいられないシーンでした。
中年の女性と少年と言うと、ベルンハルト・シュリンクの『朗読者』を連想してしまう
もう一捻りあれば良かったのにと思う。中年の女性と少年と言うと、ベルンハルト・シュリンクの『朗読者』を連想してしまうが、あの話まで、少年の年齢が高くない。だから、少年と女性の関係が、今ひとつわからない。
なんとなく、『バクダッドカフェ』見たくて良いかなぁ。って思った
ブラジルの人情劇
代筆屋ドーラは、職場のセントラル駅前の交通事故で母親を亡くした少年ジョズエを家に連れ帰る。ドーラは最初はジョズエを売り飛ばそうとしたりもする。気を取り直してジョズエを取り戻して一緒に彼の父親を探す旅に出るのだが、はぐれたり、無一文になったり、父親は引越し済みだったり、その旅は山あり谷ありの大困難が待ち受けているのだった。果たしてジョズエは父親に会えるのか?
旅を通じて2人の関係性もいろいろ移ろっていく。人情の機微をとても豊かに描いた、面白くて、とてもいい映画でした。
Josue の真っ直ぐな瞳
ブラジルのリオデジャネイロで代書業を営むドーラ( フェルナンダ・モンテネグロ )が、ある事柄をきっかけに少年ジョズエ( ヴィニシウス・デ・オリヴェイラ )と深く関わる事に…。
時に感情をぶつけ合う年齢差の有る二人が、心情を吐露し尊重し合う関係性へと変わっていく。
ドーラとジョズエが互いを思い涙するシーンが秀逸。
思いのほか良かった。
NHK-BSを録画にて鑑賞 (字幕版)
代筆業が成り立つ国ブラジル
フェルナンダモンテネグロ扮するドーラテシエラは、駅ビルで手紙の代筆業をやっていた。しかし、後で考えて本当に送るか否か決めていた。
代筆業って事は字が書けない人の発言を書く訳だが、ブラジルにはそんな商売が成り立つほど字が書けない人が多いと言う事だろうな。ドーラは客で来た母親を亡くした男の子を家に連れて来た。だけどいちいち気を使っていたら身が持たないよね。
御涙頂戴ではない、ところがいい
ブラジル映画自体あまりみた記憶がないが、
街並みや風景からして楽しめる。代筆業なんてのも初めて知った。
主人公もわかりやすい善人ではない。自らが代筆して託された手紙を破り捨てたりする。
心に暗い部分を抱えながら生きてきた初老の女性。
代筆の関わりで、とある少年と知り合いになり、父探しに同行することに。
徐々に2人が心を通わせ、ラストの別れの涙が、ほんのり心に訴える。
架空の代筆で生計を立てる中年の女は、ある日離れて暮らす主人に手紙を...
架空の代筆で生計を立てる中年の女は、ある日離れて暮らす主人に手紙を書いてくれという母子と出会う。「飲んだくれのあんたのことは嫌いだけど息子が会いたがっている。」彼女はそう言う。黙って仕事をする女だったが、実は手紙はすべて彼女の家のタンスに仕舞われていた。翌日も現れた母子は手紙の内容を改めたいという。素直に「会いたい」と書いてくれという母はその直後、バスに轢かれて死んでしまう。
母を失い、ストリートチルドレンになる男の子を気にかけた女は、男の子を連れて帰る。でもそれは善意からなどではなかった。万引きした男をその場で撃ち殺すチンピラの紹介で、人身売買をしている夫婦に少年を差し出し、カラーテレビを持ち帰った女だったが、友人の叱責もあって自分のしたことを後悔することに。
命がけで少年を取り戻し、実父のもとへ逃避行を続けることになった二人は、次第に心を通わせていく。金もなく行くあてもなくなった二人だったが、少年のアイデアで代筆業を再開しやがて実父の息子たち、少年の兄達のもとに辿り着く。愛し合っていた事実。支え合う兄弟の姿に安心した女は、少年をおいて一人旅立つ。
とてもいいロードムービーだった。すぐに騙すし、すぐに嘘をつく。悪の見本のような女だったが、優しい気持ちがないわけじゃない。そういうとっても人間的な中年の女と、まっすぐな少年の瞳。滲むような色合い。バグダッドカフェやスラムドッグ、パリテキサスのような色の鮮烈さがいつまでも記憶に残っている。人間はこんなにもいい加減で弱くて、だからこそ愛すべき存在なのかもしれない。バスの中、号泣してしまう女の涙と、バスを追いかけ続けた少年の必死さ。あの高ぶりこそ人間の心のリアルな姿なのだろう。
性善
ブラジルを舞台にし、代筆業を営む初老の女性と、幼くして母を亡くした少年の交流を描く。
始めはブラジルの実情が日本と大きく異なる事に驚く。
途中主人公の悪っぷりに呆れ笑い、
最後は上手くまとまります。
登場人物が皆ちょっとあれなので、見ていて気分がいい映画では無いが、最後まで見れば…
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