「古臭い作品という印象」戦争と平和(1956) Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
古臭い作品という印象
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総合55点 ( ストーリー:60点|キャスト:60点|演出:50点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
言わずと知れたトルストイの有名文学の映画化だが、ロシア文学は重いという印象があって原作は未読。だから映画が原作にどれだけ忠実なのかわからないのだが、前半は戦争という動乱の時代において家庭問題やら恋愛問題に終始する貴族階級の話を見せつけられるだけで肩すかし。自分の道を見つけられずに人生を見つめ直すという話が、題名と異なり軽い。
しかも制作年代が古いせいか、交互に言い合う科白回しも含めて演出がいかにも演技してますという不自然さでつまらない。屋外での実写による撮影は金がかかっていて見応えもあるが、一方で美術を背景にした撮影所での場面はすぐに作り物というのがわかってしまって質感が低い。
後半に入り停戦が終わり戦争が佳境に入ると、故郷が占領され戦場での過酷な経験をして動乱の時代を生き抜く様子で盛り返す。辛酸をなめてようやく生き残った人々の希望が見える結末は悪くない。
それでも現代の映画と比較すると厳しい描写がまだ生ぬるい。天然色なのはいいけれど、全体として古い映画だなという印象。似たような作品の「風とともに去りぬ」よりも新しい作品だが、作品の評価としてはそれには全然及ばない。
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