劇場公開日 1956年12月22日

「リドミュラ=ナターシャへの想いを覆すまでには…」戦争と平和(1956) KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0リドミュラ=ナターシャへの想いを覆すまでには…

2022年12月5日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

この1年、TV版とソ連版を続けて観ていた
ものの、過去に観たこの米国版については
印象が薄く観る予定は無かった。
しかし、たまたまTV放送があったため、
比較の上で再鑑賞してみた。

改めて観てみて、
ハリウッド映画らしいスペクタクルに、
特にナポレオン軍の撤退シーンには
並々ならぬ迫力を感じることが出来た。

しかし、全体的に主要3人を
空間的にも関わり合いの上でも
コンパクトに改変にしたのは、
ソ連版の約半分の上映時間でもあるし、
膨大な原作をまとめるためのやむを得ない
手法だったとは思うが、
ソ連版が主要3人の人間描写にも重きを置き、
その他の人間関係や話の展開については
ナレーターの処理で
原作の膨大さをカバーしていたのに対し、
この作品では
どうしても“はしょった感”が出てしまい、
重厚さとリアリティの観点からは物足りない
印象になってしまったのは残念だった。

更に、ソ連版「戦争と平和」の
若く可憐なリュドミラ・サベリーエワの
ナターシャぶりには
さすがの華麗なヘップバーンでもかなわず、
また、前半のクライマックスシーンである
ナターシャに愛を告白した
ピエールの喜びの描写が
どうしてもソ連版に比べて弱い。
これは多分に、
ピエールをヘンリー・フォンダが
演じていることと関連があるかもしれない
と今回は感じてしまった。
彼ではピエールの
“外見的な”凡庸さとは一線を画してしまい、
原作にある
「もし僕がいまの僕ではなく、
世界中でもっとも美しい、
もっとも聡明な、
もっともすぐれた人間で、
そして、自由な体であったなら、
僕はいますぐここにひざまずいて、
あなたの愛をもとめたでしょう」
(米川正夫訳)の台詞でイメージされる
人物像と一致しなく、
ナターシャの再起への気付きを働き掛ける
慎み深いピエールの想いが伝わらないので、
結果、原作やソ連版ほどの感動を
私に与えてはくれなかった。

そんなこともあり、やはり、
私のリュドミラ=ナターシャへの想いを
覆す「戦争と平和」の鑑賞にも
ならなかった一因だったかも。

それにしても、
このタイミングでのTV放映は、
ロシアが受身のこの戦争物語だけに、
この度のロシアによるウクライナ侵攻を
皮肉る意味合いでもあったのだろうか。

KENZO一級建築士事務所
りかさんのコメント
2023年9月11日

またまたすみません、作品名、
『オードリー』→
   『オードリー•ヘプバーン』
でした。何度もすみませんでした。🌸

りか
りかさんのコメント
2023年9月11日

でありますが、オードリーさんとは親子以上の年齢差の方々です。
こちらのサイトでも、その点について皆様、意見交換していただいています。当時、主役をするのは、ランク(みたいなもの)の上の方で、そこには、オードリーさんと釣り合う若い俳優がいなかったから、というご意見です。

また『オードリー』鑑賞後の
お話を楽しみにしております。

りか
りかさんのコメント
2023年9月11日

こんばんは♪コメントいただきましてありがとうございました😊

稚拙なお話させていただきましただけですので。情報とまでは⁉️

『昼下がりの情事』だけではございません。
『麗しのサブリナ』ハンフリー•ボガート、
『パリの恋人』フレッド•アステア
『マイフェアレディ』
『シャレード』も当時名優の方々

りか
りかさんのコメント
2023年9月11日

すみません、先に訂正させていただきます。

•一応可憐で電車→一番可憐で‥
•持ち上げ好き→持ち上げ過ぎ

でした。

りか
りかさんのコメント
2023年9月11日

こんばんは♪
昨日はありがとうございました😊
コメントいただきましてありがとうございました😊

はい、中学生ぐらいからオードリーの映画を観て来ました。殆ど観ましたが、晩年のは未鑑賞です。
やっぱり、『ローマの休日』がNO.1だと思います。
一応可憐で初々しく、衣装も華やかで
悲しいですが、ディズニーみたいなお姫様物語で、年代問わず観やすいと思います。相手役も上品かつカッコいいグレゴリー•ペックですし。
『マイフェアレディ』は、ドレスがとても美しく豪華ですが、ストーリーが?
『ティファニーで朝食を』も、おしゃれですが、ストーリーが、難解で。
オードリーの可愛らしさ、ストーリー、作品の華やかさ、で一番だと思います。
もしご興味がございましたら、『オードリー』という作品も鑑賞されましたら、と思います。ちょっとオードリーを持ち上げ好きなところを差し引いて観られたらいいかと思います。真面目な方だったようです。

お邪魔いたしました。
また今後ともよろしくお願いいたします🤲

りか
りかさんのコメント
2023年9月10日

世相のこと書きましたので消去しておきます。失礼いたしました。
フィギュアも選手を見られないとか。

トルストイやドストエフスキー、
どう思ってられるでしょうかと
思います。

今日はありがとうございました😊

りか
りかさんのコメント
2023年9月10日

共感とコメントいただきましてありがとうございました😊

是非ソ連のを観たいです。

余談ですが、『アナ』という作品の主役がロシア人で、若くてモデルもされている方で観た当時は、プロフィールを見ることができましたが、今は情報を見ることはできなくなっています。

りか
りかさんのコメント
2023年9月10日

深いお話ありがとうございます😊、私は、本作しか知りませんので、原作に比べたら軽いかな、ぐらいでした。ソ連版があるとお聞きしておりまして、是非観たいとは思っております。
オードリーより可愛いナターシャなら是非❤️💕

りか