劇場公開日 1956年12月22日

「やはり小説の方が、トルストイを感じる」戦争と平和(1956) 藤崎敬太さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0やはり小説の方が、トルストイを感じる

2022年3月1日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

トルストイの『戦争と平和』には多様な側面があり、

フランスロシア戦争を基軸に、それに翻弄される人々の人間模様が描かれる。

そこにトルストイの歴史観や、歴史家批判、理性論、大衆論など

物語の途中から、熱い思いが長々と挿入される。

物語では、人のいいピエールの人生観の進化が印象に残ったが、映画では割愛されていた。

あの長編を映画という数時間の枠に収めるのは無理があるのかもしれない。

戦闘シーンも迫力あるし、当時の貴族や軍隊の衣装に、目が引かれた。

そこは映画の良さですね。

戦争により、アンドレイもナターシャもピエールも、より強くより優しくなる。

藤崎敬太