「極めて強い問いかけを持った大作だ。」戦場にかける橋 瀬戸口仁さんの映画レビュー(感想・評価)
極めて強い問いかけを持った大作だ。
第二次世界大戦中、タイとビルマを鉄道で結ぶため、日本軍が連合軍捕虜を動員した鉄橋建設を描く戦争ドラマ。一大叙事詩ともいえる大作ドラマで、戦争の無意味さを、観る者に痛烈に投げかけている。
米軍のシアーズを演じたウィリアム・ホールデンや、斉藤大佐役の早川雪洲も良いし、英国軍のニコルソン大佐を演じたアレック・ギネスが、とても印象に残るのでは無いかと。
本作は、英国人であるデヴィッド・リーン監督にとっても、その後のキャリアの方向性を決定づけた作品といえる。軽快なテンポで進むという作品では無いが、最後の最後に、強烈な結末をぶつけてくる。
実際の鉄橋建設からアイデアが描かれ、日本軍の人物など実在の名称も使われているが、その人物像も含めて、本作自体はフィクションだ。それでも、我々は歴史から学べているのか、とても困難な問いかけを行っている。
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