劇場公開日 1967年10月4日

「『ショスタコーヴィチ交響曲第5番 革命』の為の映画」戦艦ポチョムキン マサシさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5『ショスタコーヴィチ交響曲第5番 革命』の為の映画

2023年5月5日
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鑑賞方法:DVD/BD
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マサシ
Gustavさんのコメント
2023年5月6日

マサシさんへ。
音楽についてのご質問ですが、小生が1976年7月6日後楽園シネマ(「想い出の夏休み」の二本立て、600円)で初めて観たフィルムは、ロシアのニコライ・クリューコフという人が作曲した音楽付きの1950年版でした。しかし、音楽の印象は残っていません。これはエイゼンシュテイン(1898年~1948年)が亡くなってから、助監督のグレゴリー・アレクサンドロフの判断で作られたサウンド版のようです。ATGの本邦初公開もこのフィルムと思われます。でもエイゼンシュテイン自身は、1926年のドイツ公開に合わせてスコアを制作したエドムント・マイゼルの伴奏音楽を認めていたそうです。これが2005年のサウンド版として制作されました。(サイレント映画では伴奏曲を指定する事例がありました)そして1976年にポジ・プリントの再構成をした時、巨匠ショスタコーヴィチの交響曲を合わせたといいます。サイレントと三種のサウンド版の全部で4種類があるのですね。VODでは、ベートーヴェンやショパンなどのクラシック名作曲家揃い踏みのものまであります。これは邪道ですね。エイゼンシュテイン監督の意志を尊重するなら、2005年版が良いと思うのですが。

Gustav
Gustavさんのコメント
2023年5月5日

マサシさん、コメントありがとうございます。
エイゼンシュテインは映画表現を追求した真の巨人で、映画史的にはグリフィスやチャップリン、ドライヤーやオーソン・ウェルズと並び称される偉人ですが、ソ連生まれ故に国策映画の影響を強く受け、完璧主義も相まって作品数が極端に少ないですね。他に「ストライキ」と「アレクサンドル・ネフスキー」を観ていますが、どちらも演出とモンタージュの拘りが極めて独創的でした。また、この作品に並ぶ代表作「イワン雷帝」の製作過程を読むと大変苦労したことが窺えます。社会主義国家での映画制作には、資本の恩恵に対して内容の干渉と圧力が伴い資本主義国と比較し辛いものを感じます。

Gustav