「今でも私たちが愛しているスパイ」007 私を愛したスパイ シネマディクトさんの映画レビュー(感想・評価)
今でも私たちが愛しているスパイ
3代目ジェームズ・ボンド、ロジャー・ムーアのベスト作品で、いま観てもアクションとユーモアのバランスが取れた映画で楽しめました。でも、この作品以降はコメディ路線へと迷走してしまうんだよな。モーリス・ビンダーの美しいメインタイトルやケン・アダムのメタリックな美術と007シリーズの世界観を支えているスタッフの腕前は健在だし、オープニングの断崖からのスキージャンプ、そしてユニオンジャックのパラシュートと、アクションからユーモアへとつなぐ演出も見事です。また、機能満載のボンドカーも楽しく、カーチェイスから水中戦、対空ミサイルでヘリを撃墜と痛快です。役者では、ロジャー・ムーアが彼なりのボンド像を確立した感じで、なかなかです。悪役のリチャード・キールは、シリーズ屈指の悪役ぶりだし、肝心のボンドガールはバーバラ・バックよりも悪役のキャロライン・マンローの方がインパクトがありましたね。
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