「第4作は、海洋アクション・スペクタクル巨編! マイアミ、バハマの海のロケ風景の美しさ 本格的な水中格闘シーンが見もの」007 サンダーボール作戦 ITOYAさんの映画レビュー(感想・評価)
第4作は、海洋アクション・スペクタクル巨編! マイアミ、バハマの海のロケ風景の美しさ 本格的な水中格闘シーンが見もの
4Kリマスター、BESTIA Enhancedの高音質大スクリーンで改めて鑑賞する幸せ。
前作「ゴールドフィンガー」の大ヒットで、乗りに乗ってる時期のシリーズ第4作。
タイトルを単なる「サンダーボール」ではなく、ちゃんと作戦名「サンダーボール作戦」としたところからすでにカッコイイ!
ボンドカー・アストンマーチン、実在の秘密兵器・ジェットパック、小型酸素ボンベ、カメラ型ガイガーカウンター、ロケット・バイク、分離合体高速艇ディスコヴォランテ、水中バイクに水中戦車、など超兵器のオンパレードながら、決して子供向けにはなっていない、大人向けの粋なスパイアクションスペクタクル大作になっているのが、さすが。
これは、プロデューサーのセンス、監督の演出、そして何よりコネリーの『大人の男のムード』の賜物といえます。
ボンドが、去り際に、格闘の末倒した男に、近くの花瓶に刺してあった合った花を投げたり、忍び込んだホテルの一室から出ていくときにも、テーブルに合ったぶどうを一粒口に含んでから去るなど、ちょっとした仕草にもユーモアがあるのが最高にカッコイイ。
マイアミ、バハマでのロケなど特に海が美しく、水着も映える競演女優陣、わかり安すぎる「眼帯をした悪役」でありながらもコミカルにならないアドルフォ・チェリなど、俳優もいい。
話の展開もスケールが大きく面白い。
特に、MI6会議室などのセットや、核搭載爆撃機の強奪プロセスの特撮が本当にリアルで素晴らしい。
そして、クライマックスでは、まさに「人海戦術」となる、ラルゴ部隊対米国攻撃隊の水中での戦闘シーン(「ム-ンレイカー」ではこれをそのまんま宇宙でやってた^^;)など、見せ場の連続!
最高の娯楽映画です。
この後、まったく同じ原作、コネリー主演で「ネバーセイネバーアゲイン」として再映画化されましたが、やはり脂の乗っていた頃のコネリー、本家シリーズである本作品にはかないませんでした。
ちなみに、ラストの「緊急脱出装置」は、実在の軍事作戦だそうで驚きです。